大分県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、大分県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

写真:公益社団法人ツーリズムおおいた

大分県について

大分県は、日本の九州地方に位置します。県庁所在地は大分市で人口は約110万人です。カボスの生産量が日本一です。

別府温泉や由布院温泉など、温泉が全国的に有名です。源泉数と湧出量は日本一を誇ります。そのため毎年多くの観光客が訪れます。特産品にはかぼす、関さば、関あじがあります。

大分県は県指定の有形文化財の数は日本一を誇ります。日本の歴史に触れることができるスポットも多く存在します。

大分県の市町村

大分県には18の市町村があります。そのうち市は14(大分市、別府市、中津市、日田市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、由布市、国東市)あります。

大分県のご当地グルメ

大分県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

とり天

とり天は鶏の天ぷら料理です。サクサクの衣とジューシーな肉の組み合わせが絶品です。

だんご汁

小麦粉で作っただんごを使った味噌汁で大分県の代表的な郷土料理です。

やせうま

小麦粉で作っただんごにきな粉や砂糖をまぶして食べるおやつです。

豊後牛

大分が誇るブランド牛でその味は絶品です。大分県で食べるべき一品です。

りゅうきゅう

地元でとれた新鮮な魚を、醤油、酒、みりん、ごま、しょうがでつくるタレと和える大分県の代表的な郷土料理です。

地獄蒸し料理

別府温泉の地熱を利用した蒸し料理です。

別府プリン

別府市のお土産といえばプリンです。「地獄蒸しプリン」が有名です。

別府冷麺

別府市のご当地グルメで、和風ダシと牛骨スープが絡んだ自家製麺が特徴です。

関サバ・関アジ

豊予海峡で一本釣りにより獲れる魚で、水産品の高級ブランドとされています。引き締まった身が美味しいと評判です。大分県で食べるべき一品の一つです。

にら豚

にらと豚肉、キャベツをしょう油ベースの甘辛いタレで炒めた料理です。大分県大分市発祥の郷土料理とされています。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

大分県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点では大分県でライドシェアサービスを実施している自治体はありませんでしたが、大分県別府市が2024年6月から一般のドライバーが有料で人を送迎する「ライドシェア」を導入することを決めております。2024年2月29日の別府市市議会定例資料には次のように記されておりました。

「交通空白地域対策では、ドライバー不足の解消や需要に合わせた弾力性の高い移動手段の供給など、公共交通の課題解決が進展しない状況の中、市民や観光客の移動手段を確保するため、ライドシェアの導入を実施します。」

なお、本記事執筆段階ではドライバーの募集は行っておりませんでした。サービスの詳細はこれからのようです。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

大分県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

大分県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

日田市:デマンドタクシー

JRや民間路線バスが運行していない公共交通空白地域に居住する方の、通院や買い物などへの移動手段を確保することを目的にデマンドタクシーの運行が行われております。利用するためには事前予約が必要で、自宅付近から駅または最寄りのバス停まで移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳しい情報は日田市のホームページをご覧ください。

大分市:デマンドタクシー

大分市では、公共交通の利用が不便な地域に居住する方の移動手段を確保し、外出の機会を促進するとともに、バス利用の促進を図ることを目的に、デマンドタクシーの運行が行われています。利用対象者は、運行地域または運行ルート沿線の住民が対象です。利用するには事前予約が必要で、指定の停留所から路線バスの停留所までを移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳しい情報は大分市のホームページをご覧ください。

目的に「バスの利用促進」が含まれている点が気になりました。移動手段に課題を抱えている人が一番求めているのはスムーズな移動体験と想定されます。路線バスに乗り換え後比較的移動距離が短い場合、バスの待ち時間が発生するなどタイムロスが発生するので、利用者が求めているスムーズな移動体験に課題が残るのではと思います。デマンドタクシー本来のフレキシブルな運行ルートと運行時間という側面が提供しきれていない仕組みになっていると感じました。

大分県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、大分県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で大分県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

大分県は、大分市 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点、大分県でライドシェアサービスを実施している自治体はありませんでしたが、6月より別府市でライドシェアサービスが実施される見込みです。また、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

さらに、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。大分県の別府市以外の地域で日本型ライドシェア事業を運行するためには、大分県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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