三重県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、三重県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

三重県について

三重県は日本の中部地方に位置します。県庁所在地は津市で人口は約170万人です。サマーフレッシュ(柑橘類)が全国的に有名です。

三重県は自然、歴史、文化など、さまざまなテーマの観光スポットが揃っています。名古屋や大阪からのアクセスが良く日帰り旅行も可能です。三重県へのアクセスは、新幹線なら名古屋駅、飛行機なら中部国際空港(セントレア)を経由して目的地を目指します。

三重県内の公共交通機関は、路線バス、鉄道などが利用できます。しかし三重県は広いため、観光地間の移動には時間がかかることがあります。レンタカーなどの利用を検討すると良いでしょう。

三重県の市町村

三重県には29の市町村があります。そのうち市は14(津市、四日市市、伊勢市、松阪市、桑名市、鈴鹿市、名張市、尾鷲市、亀山市、鳥羽市、熊野市、いなべ市、志摩市、伊賀市)あります。

三重県のご当地グルメ

三重県には美味しいグルメがたくさんあります。その中でもおすすめのグルメをいくつか紹介します。

松坂牛

日本が誇る和牛の代表格といえば松坂牛です。きめの細かいサシ(霜降り)と柔らかな肉質で通常の牛肉とは口に入れた感触が異なります。

てこね寿司

漁師が船上でとれた魚をその場でさばいて、手で混ぜあわせたことから「てこねずし」と呼ばれるようになりました。三重県の郷土料理です。

赤福

三重県のお土産の定番といえば赤福餅です。柔らかい餅を甘いねりあんで包んだ食べ物です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

三重県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、三重県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

三重県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

三重県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

四日市市:デマンドタクシー

四日市市では、市街化調整区域内の公共交通不便地域にお住いの方の公共交通利用環境を改善するためにデマンドタクシーの運行を行っています。つまり路線バスなどが自宅近くに通っておらず、車利用がマストな区域で移動に課題を抱えている人に向けた取り組みとなります。そのため、利用対象者は70歳以上で、鉄道駅から直線距離で800メートル以内、または、バス停留所(高速バス路線を除く)から300メートル以内にお住いの方は対象外などの細かい条件がついています。詳細は四日市市のホームページをご覧ください。

かなり利用者を限定した運行を行っているので、生産性も下がるのではと懸念します。また、利用率と利用者の満足度につながっているのかも、気になるところです。

志摩市:デマンドタクシー「のりあい」 ※終了

志摩市でも実証実験でデマンドタクシー「のりあい」の運行が行われておりました。既存バス停への乗り継ぎの利便性を高めることを目的に取り組みが行われました。予約状況に応じてAI(人口知能)が運行ルートを考え、定められた停留所の間を乗り合いにより走行する仕組みでした。詳細は志摩市のホームページをご覧ください。

志摩市は観光地としても人気なので、観光客のニーズもあるのではないのでしょうか。実証実験の結果を踏まえて、デマンドタクシーの可能性を探って事業推進することを期待します。

三重県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、三重県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で三重県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

三重県は、津市 ※、四日市市 ※、伊勢市 ※、松阪市、桑名市 ※、鈴鹿市 ※、名張市 ※、亀山市 ※、鳥羽市 ※、いなべ市 ※、志摩市 ※、伊賀市 ※、桑名郡 ※、員弁郡 ※、三重郡 ※、多気郡 ※、度会郡 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で三重県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

そして、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。三重県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、三重県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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