岡山県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、岡山県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

写真提供:岡山県観光連盟

岡山県について

岡山県は、日本の中国地方に位置します。県庁所在地は岡山市で人口は約180万人です。マスカット・オブ・アレキサンドリアの生産量が全国第1位と言われています。

岡山県の観光スポットに目を向けると、備中松山城、鬼ノ城、岡山城など県内にいくつもの城があります。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋も有名です。

そして、おとぎ話「桃太郎」の誕生は岡山県と言われています。桃太郎誕生の歴史に触れる場所が多数存在します。

岡山県の市町村

岡山県には27の市町村があります。そのうち市は15(岡山市、倉敷市、津山市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、真庭市、美作市、浅口市)あります。

岡山県のご当地グルメ

岡山県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

えびめし

カラメルソースとケチャップ、カレー粉などを合わせたものにスパイスをきかせたソースを使った独特な焼飯です。

デミカツ丼

とんかつにデミグラスソースをかけた岡山のご当地丼です。

日生カキオコ

カキの産地として知られる岡山県日生町発祥の、新鮮な牡蠣をふんだんに使用したお好み焼きです。

ままかり寿司

ままかりずしは岡山県瀬戸内海沿岸地域の郷土料理。 ママカリと呼ばれるサッパ(ニシン科の小魚)の酢漬けを丸めた酢飯に乗せた料理です。

備前ばら寿司

瀬戸内海の海の幸と旬の野菜を華やかに盛りつけたお寿司です。

笠岡ラーメン

岡山県笠岡市のご当地ラーメン。鶏ガラだしの醤油スープに煮鶏のチャーシューが乗っているのが特徴です。

津山ホルモンうどん

岡山県津山市のご当地グルメで、熱した鉄板で牛ホルモンと野菜、うどんを焼き合わせ、辛めのタレで味をつけた料理です。

ひるぜん焼きそば

味噌をベースにニンニク、玉ねぎ、リンゴなど、さまざまな材料や調味料を合わせた独自の味噌だれを使い、親鶏(かしわ肉)とキャベツを入れた焼そばです。

備中高梁インディアントマト焼きそば

焼きそばを炒め、カレー味にして目玉焼きをのせ、最後に地元・高梁名産のトマトを使ったソースをかけて作られるのが特徴です。

児島たこしお焼きそば

児島産の蛸(たこ)と児島産の塩で味付けした焼きそばです。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

岡山県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、岡山県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

岡山県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

岡山県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

岡山市:デマンドタクシー

岡山市の中でも各地区ごとにデマンドタクシーの運行が行われております。どの地区も、目的は地域住民の買い物や通院等の日常生活に必要な移動手段を確保することとなります。利用対象者は各地区にお住まいの方が各地区のデマンドタクシーを利用することができます。利用するには事前予約が必要で、自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。予約方法は電話予約のみ受け付けております。詳細は岡山市のホームページをご覧ください。

参考までに各自治体の概要をお伝えします。参考にしてください。

エリア運賃運行便運行日
朝日地区「あさタク」400円行き4便、帰り4便月火水木金
千種地区「モモタク」300円(例外あり)行き4便、帰り4便月火水木金
城東台・草ヶ部地区「上道スマイルタクシー」200円行き3便、帰り3便(例外あり)月水金
角山地区「角タク」500円(例外あり)行き4便、帰り4便運行ルートによって異なる
牧山地区「牧タク」300円(例外あり)行き3便、帰り3便月火水木金
馬屋上・野谷地区「あいタク」500円(例外あり)7便月火水木金
迫川地区「ブンタク」300円行き6便、帰り6便月火金

吉備中央町:デマンドタクシー

吉備中央長ではデマンドタクシーの運行が行われております。利用対象者は町内在住の方になります。利用するには事前予約が必要で、自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。予約方法は電話予約かWEBサイトから予約することができます。詳しい情報はホームページをご覧ください。

こちらのデマンドタクシーは、以前は町内を3地域に分割してデマンドタクシーの運行を行っていましたが、2023年から全て統合して運行管理を行うようになりました。利用者の声を踏まえたサービスの改良によるものかと思います。このほか、コールセンターの一本化や運行本数の拡充など接客的に改善の動きを行っております。これは、地域でデマンドタクシーが一定の認知と利用の見通しがたったことから改善が行われていると考えられます。

備前市:デマンドタクシー

備前市ではデマンドタクシーの運行が行われております。高齢者をはじめとした移動手段に課題を抱えている人の交通手段を確保することが目的です。利用対象者は備前市内在住の方です。利用するためには事前予約が必要で、自宅から指定した目的地まで移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けております。詳しい情報は備前市のホームページをご覧ください。

備前市ではデマンドタクシーの取り組みに加えて、自動運転バスの実証実験も行われました。市内の利用ニーズにマッチした移動手段のあり方を模索するために積極的なチャレンジを行なっている印象です。

岡山県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、岡山県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で岡山県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

岡山県は、岡山市 ※、倉敷市、都窪郡早島町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で岡山県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

また、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。岡山県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、岡山県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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