国土交通省大臣会見、日本型ライドシェア約1ヶ月の利用状況と効果について

ライドシェアドライバー

2024年5月10日、国土交通省は自家用車活用事業(日本型ライドシェア)を開始して1ヶ月の利用状況を発表しました。この記事では会見で発表された利用実績と、どのくらいの効果が得られているのかを考察します。

日本型ライドシェア実施地域とタクシー不足車両数

会見発表内容の前にまずはおさらいです。日本型ライドシェアは地域のタクシー不足を解決するための手段として導入されました。実際に国土交通省が調査した結果、各エリアのタクシー不足数は以下の通りでした。

対象エリア車両不足の曜日と時間帯不足車両数
東京都:23区、武蔵野市、三鷹市月~金:7時台~10時台1780台
金、土:16時台~19時台1100台
土:0時台~4時台2540台
日:10時台~13時台270台
神奈川県:横浜市、川崎市など金、土、日:0時台~5時台940台
金、土、日:16時台~19時台480台
愛知県:名古屋市、瀬戸市、日進市など金 : 16時台~19時台90台
土 : 00時台~03時台190台
京都府:京都市、宇治市など月水木 : 16時台~19時台200台
火~金 : 00時台~04時台200台
金土日 : 16時台~翌5時台490台
長野県:軽井沢町毎日8:00〜13:00、16:00〜24:00不明

この調査結果を踏まえて、東京、京都では4月8日に日本型ライドシェアの運行が開始され、横浜では中旬に開始、名古屋、軽井沢でも4月下旬に運行が開始されました。

つまり、今回国土交通省が発表した利用状況の結果については、タクシー不足の母数も踏まえる東京エリアの利用実績が大きな割合を占めていると思われます。その点を踏まえて国土交通省の発表内容を見ていきましょう。

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2024年5月10日国土交通省会見内容

国土交通省が発表した日本型ライドシェアの利用状況は次の通りです。

会見内容抜粋

許可事業者は128社、のべ稼働台数は2,283台、のべ運行回数は12,628回という状況です。
また、各地域のマッチング率については、タクシードライバーの増加の効果もあり、昨年10月から12月のデータと比較して、概ね改善されているところです。このように、自家用車活用事業は、「担い手」や「移動の足」不足の対策として、一定の効果が発揮されつつあるのではないかと認識しています。一方、この事業が開始されてから間もないこと、また、多くの地域はまだ準備段階にあることから、その効果を現時点で評価することは適切ではないと考えています。

考察

今回の会見内容で発表された数字の中で「のべ稼働台数2,283台」に着目しました。

前述したタクシー不足数の各エリアで最も多い不足数は、東京都2,540台、神奈川県940台、愛知県190台、京都府490台なので、単純に全てのエリアを足し合わせると4,160台の車両が不足していることになります。よって、日本型ライドシェア車両によるタクシー不足車両のカバー率は54.9%程度になるのではと考えます。初月の成果としてはまずまずという点と、課題・伸び代が見えている点から、会見において、「一定の効果が発揮」「効果を現時点で評価することは適切でない」という発言に繋がったのかと思われます。

日本型ライドシェアを運営しているタクシー事業者によると、日本型ライドシェアドライバーの応募数は多いという発表もありました。また、採用後は研修を一定期間行う必要があるため、現場に出るまで少し時間がかかっている状況が想定されます。今後さらに車両が増える可能性が見込めます。

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まとめ

いかがでしたか?かってにライドシェア委員会の考察では、日本型ライドシェアによってタクシー不足のカバー率は54.9%程度ではないかと推察しました。需要と供給のバランスを整えるためには、もう少し供給量の改善が必要であるとともに、日本型ライドシェアドライバーと利用者双方のサービス満足度向上も行う必要があると考えます。今後の進展に期待です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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