鹿児島県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、鹿児島県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

写真協力: 鹿児島観光コンベンション協会

鹿児島県について

鹿児島県は、日本の東北地方に位置します。県庁所在地は鹿児島市で人口は約180万人です。さつまいもの生産量が全国第1位と言われています。

鹿児島県の観光スポットに目を向けると、桜島が有名です。桜島は、今も噴煙を上げ灰を降らせている世界的に珍しい火山です。 そのほか日本初の世界自然遺産に認定された屋久島や奄美大島など自然あふれる島が多数存在します。

鹿児島の歴史社会といえば、薩摩藩・明治維新です。明治維新の成立に多大な功績を残した西郷隆盛、大久保利通の軌跡をたどることができます。県内には、歴史に触れることができるスポットが多数存在します。

鹿児島県の市町村

鹿児島県には43の市町村があります。そのうち市は19(鹿児島市、鹿屋市、枕崎市、阿久根市、出水市、指宿市、西之表市、垂水市、薩摩川内市、日置市、曽於市、霧島市、いちき串木野市、南さつま市、志布志市、奄美市、南九州市、伊佐市、姶良市)あります。

鹿児島県のご当地グルメ

鹿児島県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの9品を紹介します。

かごしま黒豚

鹿児島県産の黒豚は、「かごしま黒豚」の名でブランド化されています。さつまいも入りの餌を与えていることで、黒豚の脂肪の質が向上すると言われています。鹿児島に行った際は黒豚料理は押さえておくべきでしょう。

きびなご

鹿児島県の郷土料理に欠かせない魚として名が挙がるのがキビナゴです。刺身、干物、唐揚げなどで調理されます。

鹿児島ラーメン

スープには鶏ガラや野菜を使っているので、九州の他エリアの濃厚なとんこつラーメンに比べると、マイルドで食べやすいスープが特徴です。

さつま揚げ

「つけあげ」と呼ばれる鹿児島名産のさつまあげは、魚のすり身に酒と調味料を加えて揚げたものです。

あくまき

もち米を木や竹を燃やした灰からとった灰汁に浸した後、もち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮込んでつくられる料理です。独特の風味と触感が特徴です。

かるかん

鹿児島の伝統的なお菓子で、山芋を生地に使用した饅頭です。

からいもねったぼ

つきたての餅に蒸したさつまいもを入れて混ぜて食べる餅料理です。きなこと砂糖、少々の塩を混ぜた中に入れてまぶして食べます。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

鹿児島県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、鹿児島県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

鹿児島県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

鹿児島県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

与論島:ライドシェア実験 ※終了

2024年2月時点では鹿児島県でライドシェアサービスを実施している自治体はありませんでした。しかし過去に与論島で実証試験を行っていました。

2019年4月に、株式会社Azitが運営していたMaaSプラットフォーム「CREW」を活用してライドシェアの実証試験が行われました。実証試験の結果や終了に関する報告内容を見つけることができませんでしたが、以前Azitのホームページにて「モビリティ・プラットホーム『CREW』は2020年12月28日(月)をもって、カスタマーサポートを含む全てのサービスの提供を止め、長期の運営休止とする運びとなりました。」との告知がされていたようです。理由は2020年にコロナが蔓延し、人々が移動しなくなったことで利用者が減少したこと、とされています。

CREWのサービス終了に伴い、与論島のライドシェア実証実験も終了したと思われます。

薩摩川内市:デマンドタクシー

薩摩川内市の4つの地区でデマンドタクシーの運行が行われております。利用対象者はどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必要で、自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。

おそらく、このエリアでデマンドタクシーを導入した目的は、車を保有しておらず目的地までの移動手段に課題を抱えている人に対しての解決策と思われます。気になる点としては4つの地区で分割して運行管理を行なっている点です。おそらく乗車地区とは別地区へ移動する場合は、その管轄が運行しているデマンドタクシーに乗り換える必要があると考えられます。今後改善される可能性はあるのでしょうか。

霧島市:デマンドタクシー

霧島市でも一部地域にてデマンドタクシーの運行が行われております。利用対象者はホームページで明記されていませんが市内在住の方と思われます。利用するためには事前予約が必要で、自宅付近から目的地まで移動することができます。車両はセダンタイプのタクシーで移動します。詳しい情報は霧島市のホームページをご覧ください。

この取り組みは、交通手段に課題を抱えている交通不便・空白地域の住民に対して、解決策としてデマンドタクシーの提供を行い課題を解決することが目的とされています。課題がどの程度解決されたのか興味深いです。

鹿児島市:デマンドタクシー

鹿児島市では11ヶ所に地区を分割してそれぞれでデマンドタクシーの運行を行なっております。利用対象者はそれぞれの地区の該当地域に在住している方が対象となります。利用するためには事前予約が必要で、自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳細は鹿児島市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは該当地域の日常生活の交通手段として利用してもらうことが目的となっており、言い換えると交通空白地域で、車の運転ができず移動手段に課題を抱えている人の解決策として導入されていると思われます。気になる点は、エリアを細分化することの弊害は出ていないか、の点です。それぞれの地区を行き来したい場合、デマンドタクシーだけでは移動できない課題が発生します。

鹿児島県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、鹿児島県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で鹿児島県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

鹿児島県は、鹿児島市 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で鹿児島県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

また、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。鹿児島県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、鹿児島県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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