奈良県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、奈良県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

奈良県について

奈良県県は、日本の東北地方に位置します。県庁所在地は奈良市で人口は約130万人です。割りばしの生産量が全国1位と言われています。

奈良県には空港がないため、公共交通機関を利用する場合は電車やバスを利用していく場合が多いです。近隣の県に住んでいる場合は車で訪問するのもよいでしょう。

奈良県の観光に目を向けると、神社仏閣など歴史に触れられるスポットが大変多く存在します。法隆寺地域の仏教建造物が日本初の世界遺産に登録されて以来、古都奈良の文化財や紀伊山地の霊場と参詣道も世界遺産に登録されています。

まずは、どの観光スポットを巡りたいのか。そしてその交通手段をどうするのかを予め計画することをお勧めします。

奈良県の市町村

奈良県には39の市町村があります。そのうち市は12(奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市)あります。

神社仏閣の観光スポットは、奈良市が中心となります。

奈良県のご当地グルメ

奈良県には美味しいご当地グルメがあります。いくつかご紹介します。

にゅうめん

素麺をかけそばのように出汁に浸けて食べる奈良県の郷土料理です。

天理ラーメン

豚骨と鶏ガラがベースとなっているダシに醤油ダレを加え、豚肉や白菜にニラなど炒めた野菜がたっぷり入っている辛めのラーメンです。

柿の葉すし

鯖を塩でしめ、柿の葉で包み、発酵させた郷土料理です。保存性が高いのも特徴です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

奈良県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点では、奈良県で日本型ライドシェアの運行はされておりません。現時点では今後の導入も未定です。奈良県知事定例でタクシー不足が課題になっている発言もあるので、何らかの動きがあるかもしれません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

奈良県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

奈良県では、自宅から公共交通機関までの移動手段が不足している課題を抱えているエリアが存在します。その課題に対して、各自治体がデマンドタクシーを活用して解決に向けた取り組みを実施しているのでいくつかご紹介いたします。

香芝市:デマンド交通

香芝市では車を保有していない人、車が利用できない人のニーズに応える移動手段としてデマンド交通の運行(予約制の相乗りタクシー)を行なっております。自宅から乗車し指定された乗降場所まで移動することができます。香芝市民であれば誰でも利用することができます。予約は電話でもネットからでも受け付けています。詳しい情報は香芝市のホームページをご覧ください。

2022年から乗降可能な場所がエリアが拡大しているので、一定の利用者にニーズがあることが伺えます。また、大人が1回200円で利用できるのもポイントです。弊サイト調べによると大人1回300円〜500円程度が相場なので気軽に利用できる価格帯になっています。

この取り組みで一定の成果が得られたら、次は他の公共交通機関と比較して街の経済面にどう貢献するかがポイントになりそうです。

御所市:デマンドタクシー

御所市では人口減少や利用ニーズの変化に伴い、コミュニティバスの利用者は年々減少していたことから、公共交通機関の再編を行いました。その結果、御所市の南部でデマンドタクシーを運行することになりました。利用者は、指定された乗降場所の区間内を移動することができます。利用対象者は該当する地域の方です。予約は電話受付のみとなっております。詳しい情報は御所市のホームページをご覧ください。2024年4月には新たに12ヶ所の乗降場所が追加となりました。この動きから利用者が増えているが伺えます。

一方で御所市の北部ではコミュニティバスの運行が行われています。北部の方が人口が密集しているため一度に多くの人数を目的地までスムーズに届けるという狙いが伺えます。このように北部と南部で地域の特性を加味した移動手段の提供をするのは、自治体が工夫した結果だと思います。今後御所市全体でどのような公共交通機関に進化するのか楽しみです。

平群町:デマンドタクシー

平群町では奈良近鉄タクシー株式会社が運営の元、デマンドタクシーの運行が行われています。利用対象者は65歳以上の方で車が利用できない方が対象のようです。セダンタイプのタクシーで移動します。予約は電話予約のみとなっております。詳しい情報は奈良近鉄タクシーのホームページをご覧ください。

こちらは、高齢者の移動手段提供に特化した取り組みとなっております。人口割合で高齢者が多い地域はこのような取り組みが望まれるでしょう。

奈良県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、奈良県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

奈良県は、奈良市で利用することができます。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

奈良県は、奈良市、大和高田市 ※、大和郡山市 ※、天理市 ※、橿原市 ※、桜井市 ※、生駒市 ※、山辺郡山添村 ※、生駒郡平群町 ※、生駒郡三郷町 ※、生駒郡斑鳩町 ※、生駒郡安堵町 ※、高市郡高取町 ※、高市郡明日香村 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年3月時点、奈良県でライドシェアサービスを実施している自治体はありませんでした。しかし、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。奈良県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、奈良県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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