観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。
この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。
本記事では、富山県富山市で日本型ライドシェアサービスが利用できるエリアや、日本型ライドシェアの予約方法と料金についてご紹介します。併せて、富山県の自治体が取り組んでいるライドシェアについてご紹介いたします。
富山県について
富山県は、日本の中部地方に位置します。県庁所在地は富山市で、人口は約104万人です。豊かな自然環境が特徴で、立山黒部アルペンルートや黒部峡谷などの観光地が有名です。
富山県には富山空港があります。遠方から訪れる人が公共交通機関を利用する場合、空港から観光地までの移動手段を検討する必要があります。市街地から離れた観光地では、公共交通手段の利用時間に制限があったり、公共交通手段ではたどり着けないスポットもあります。
まずは、どの観光スポットを巡りたいのか。そしてその交通手段をどうするのかを予め計画することをお勧めします。
富山県の市町村
富山県には15の市町村があります。そのうち市は10(富山市、高岡市、魚津市、氷見市、滑川市、黒部市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市)あります。
ライドシェアとは
ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。
ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。
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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始
2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。
対策方針
- タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
- 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
- ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
- タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
- 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
- ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
- ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築
なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。
富山県のライドシェアについて
富山県で日本型ライドシェアサービスが開始予定!
国土交通省北陸信越運輸局富山運輸支局が、5月に日本型ライドシェアの運行を許可しました。富山県は富山市内の出発もしくは到着の利用が対象となります。富山交通が、毎週金曜日と土曜日の午後4時~翌午前6時にライドシェアのサービスを行います。2024年6月上旬に開始が予定されます。
日本型ライドシェアの利用料金について
2024年4月時点で、日本型ライドシェアの利用料金はタクシー料金と同じです。タクシー料金が1000円のルートの場合、日本型ライドシェアの料金も1000円です。これは、現行の日本型ライドシェアの導入目的がタクシー不足を補うためであること、そしてタクシー事業者がライドシェアサービスを運営しているので価格の公平性を保つために、差分が生まれないようにしていると思われます。世界のライドシェアサービスは、タクシー料金の2割程度安く利用できると言われています。今後料金については見直しが入る可能性もあるでしょう。
自治体の取り組み
富山県は富山市のような都市部もありますが、地方に出ると自然豊かな場所がたくさんあります。そのため地方で暮らす際には車の利用が必要不可欠です。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。
ノッカルあさひまち
富山県では、富山県旭町で2021年から「ノッカルあさひまち」という自治体が運用しているライドシェアサービスが運行しています。
公共交通空白地等の移動が困難な市民や観光客等に対して、ライドシェアサービス事業提供することで、地域の活性化に貢献するサービスです。運行エリアは朝日町の各地区と泊地区中心部が対象です。利用する場合まず会員登録が必要です。会員になるためには窓口に電話する必要があります。乗車の際には、前日の午後5時までに予約が必要です。予約は電話予約のみ受け付けています。
料金は回数券(11枚つづりで2,000円)で支払い、1人利用の場合は回数券3枚(600円)、2人利用の場合は回数券2枚(400円)となります。
ノッカル中田
ノッカルあさひまち同様、富山県高岡市中田地区で2022年から「ノッカル中田」という自治体が運用しているライドシェアサービスが運行しています。
運行エリアは高岡市中田地区が対象です。利用する場合まず会員登録が必要です。会員になるためには窓口に電話するかLINEで受付を行なっています。乗車の際には、事前予約が必要です。予約は電話予約のみ受け付けています。
料金は回数券(11枚つづりで5,000円)で支払い、片道あたり回数券1枚(500円)で利用することができます。
日本型ライドシェア予約方法
※富山県の日本型ライドシェア予約はGOアプリのみとなります。
日本型ライドシェアを利用するためには、タクシー事業と提携している配車アプリから予約する必要があります。ここでは予約可能な配車アプリをご紹介いたします。
Go
まずはアプリのダウンロードと会員登録が必要です。以下画像からアプリダウンロード画面に遷移します。現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。
予約フロー
ライドシェア車両は、タクシーが呼びにくい曜日・時間帯のみでマッチングする仕組みとなります。4/8に日本型ライドシェア利用可能エリアでGoアプリを利用したところ以下のように「ライドシェアドライバー稼働中」の表示が出ました。
「タクシー・ライドシェア」を選択し、マッチングした場合は、運賃が予め確定した状態で指定場所・時間で乗ることができます。4月8日時点では、タクシーとライドシェア車両の選択はできないようでした。気になる方はぜひ一度使って見てください。
安心・安全を保つ仕組みについて
まずはドライバー評価確認機能です。日本型ライドシェア車両への手配の際、当該車両のライドシェアドライバーに対する評価が表示される仕組みになるため、乗車前に確認することができます。乗車後にはドライバーに対する評価をつける画面がアプリに表示されます。乗車体験を利用者全員で評価していくことで、ライドシェアの品質を向上させることができます。
次に乗車中の通報機能です。乗車中、アプリ画面にて警察およびタクシー営業所への通報ボタンが表示されます。万が一身の危険を感じるような事象に遭遇した場合は即座にこの機能を利用しましょう。※画面は開発中のため、実際の仕様とは異なる場合があります。
参照:PR TIMES
Uber
4月上旬より日本型ライドシェアのサービス提供を国土交通省が定めた東京、神奈川、愛知、京都のエリアで開始すると発表しました。そして4月8日に、東京エリアでライドシェアサービスが開始しました。早速アプリを利用してみると、日本型ライドシェアの車両は「自家用タクシー」と表示されました。ライドシェア料金は、Uberの初回利用クーポン50%OFF適用外のため、Uber初回利用の方はタクシー利用の方がお得になる場合があります。
予約フロー
実際に日本型ライドシェアの利用を試みました。予約の前に、「自家用タクシー」の注意事項を確認しました。利用ができない条件や、キャンセル料金について記載されているので、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。
実際に予約を行います。移動場所を確定したら事前決済に進みます。Uberに登録している決済方法で決済を行います。
決済が終わったらライドシェア車両の到着を待ちます。
この日は、ライドシェア車両が到着しませんでした。その場合は、このようなキャンセル画面が表示されます。決済した料金は全額返金されます。
安心・安全を保つ仕組みについて
Uberのアプリでは、Uberがグローバルで展開しているライドシェアサービスの運用知見を踏襲し、乗客およびドライバーの安全確保のため、アプリ上の様々な機能を通じて予防と対策を実施しております。
- 家族や友人などの信頼できる連絡先を設定し、乗車状況をリアルタイムで共有する機能
- 利用中に不自然な停車やルート変更を検知し、Uberから乗客に安全確認メッセージを送信する機能
- ドライバーおよび乗客を評価する機能
- 乗車中に問題が発生した場合、アプリの緊急通報ボタンから警察に通報できる機能
これらの機能を活用して、安心・安全にライドシェアサービスを利用しましょう。
参照:PR TIMES
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富山県で利用できるタクシー配車アプリ
最後に、富山県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。
Go
GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。富山県は、富山市、黒部市、魚津市、滑川市※が対象エリアです。(※一部地域を除く)
現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。
まとめ
いかがでしたか?2024年6月から富山県富山市で日本型ライドシェアの運行がスタートする予定となっています。また、日本型ライドシェア対象外の地域では、自治体がデマンドタクシーを活用して、地域住民の移動手段の課題を解決する取り組みを行なっていることがわかりました。まだ始まったばかりのサービスなので課題も多数あると思います。利用者がより満足するように改善が繰り返されることを期待します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!
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