山口県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、山口県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

山口県について

山口県は、日本の中国地方に位置します。県庁所在地は山口市で人口は約130万人です。アンコウの水揚げ量が全国1位と言われています。

山口県の観光スポットに目を向けると、世界文化遺産に登録されている「明治日本の産業革命遺産」が萩市に5カ所あります。

山口県の文化で全国的に有名な催しといえば、山口七夕ちょうちんまつりです。日本三大火祭りのひとつとして、古くから伝わる伝統的な祭りです。

山口県の市町村

山口県には19の市町村があります。そのうち市は13(下関市、宇部市、山口市、萩市、防府市、下松市、岩国市、光市、長門市、柳井市、美祢市、周南市、山陽小野田市)あります。

山口県のご当地グルメ

山口県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの品を紹介します。

ふぐ料理

下関で有名なふぐは、山口県の代表的な高級食材です。ふぐ刺しが代表的な料理です。山口県に行った際はぜひ食べたい一品です。

瓦そば

下関市の川棚温泉が発祥の地と言われています。熱々の瓦の上にそばを乗せ、その上に錦糸卵や牛肉などを盛り付けた料理です。

岩国寿司

別名「殿様寿司」とも言われ、豪華な具と整った四角い形の押し寿司です。

笠戸ひらめ

笠戸島で養殖されたひらめが有名です。刺身料理が有名です。

須佐男命いか(剣先イカ)

活きたまま食べられるイカ料理が人気です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

山口県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、山口県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

山口県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

山口県の各自治体や企業は、ライドシェアやデマンドタクシーなどを利用して地域の交通課題を解決する動きがあります。いくつかご紹介いたします。

山口市:やまぐちTAXIアプリ

2024年1月に自治体と企業が連携して「やまぐちTAXIアプリ」の運用が行われています。山口市ではタクシー事業者の深刻なドライバー不足により、24時間営業を行なっている事業者が2社しかなく特に深夜帯の車両供給が難しい状況となっています。そのため、深夜帯の移動手段がなくなると住民の外出機会が減少し、地域経済に影響が出ている課題があります。その課題を解決するためタクシー配車アプリの実施を決定しました。

山陽小野田市:デマンドタクシー「とまり号」

山陽小野田市の高泊地区において、交通不便地域で住居があり車が運転できない住民は公共交通手段で移動できない課題を抱えています。その課題を解決する手段としてデマンドタクシー「とまり号」の運行が行われています。利用するには事前予約が必須です。予約は電話予約とWEB予約を受け付けています。自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。デマンドタクシーが出発する時間帯はあらかじめ決められています。詳細は山陽小野田市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは、使い勝手の部分で課題がありそうです。運行日が月水金に限られている点と、デマンドタクシー出発の最終便が13:30と早い点は、利用者の利用範囲を制限する形になります。実際の利用者はどのくらいサービスに満足しているのか気になるところです。

長門市:デマンドタクシー「のろっちゃ」

長門市の公共交通がなく不便な地域において、住民の生活交通手段を提供する目的でデマンドタクシー「のろっちゃ」の運行が行われています。利用するには事前登録が必須です。自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。予約方法は電話予約のみ受け付けています。詳細は長門市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは利用するエリアによって、運行する時間帯や利用料金が異なるため注意が必要です。各エリア一日3便程度の運行本数と限られています。時間帯から出勤や通学の利用ニーズを捉えようとしているのではと思いましたが、利用者の評価が気になるところです。

周南市:デマンドタクシー「ふれあい号」

周南市北部の鹿野地区と大向地区の一部で、デマンドタクシー「ふれあい号」の運行が行われています。自宅近くから乗車し鹿野中心部の希望場所で降りることができます。利用するためには事前予約が必須です。予約は電話予約のみ受け付けています。詳細は周南市のホームページをご覧ください。

運行日によってデマンドタクシーの出発時刻が異なるため、利用者にとっては少し複雑な仕組みのように思います。デマンドタクシーの特徴であるスムーズな移動を実現するためには、予約状況から運行タイミングと運行ルートをフレキシブルに行う仕組みが必要です。他県の自治体では既に事例もあります。実際の利用者の満足度次第では検討の余地はあると思います。

山口県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、山口県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で山口県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

山口県は、山口市 ※、防府市 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で山口県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

そして、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。山口県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、山口県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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