徳島県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、徳島県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

徳島県について

徳島県は、日本の四国地方に位置します。県庁所在地は徳島市で人口は約71万人です。椎茸の生産量が全国1位と言われています。

徳島県の観光スポットに目を向けると、四国八十八箇所が有名で多くの礼拝者（お遍路さん）が毎年巡礼に訪れます。四国八十八ヶ所は、四国にある空海（弘法大師）ゆかりの88か所の仏教寺院の総称です。

徳島県の文化で全国的に有名な催しといえば、日本三大盆踊りの1つと言われている「阿波踊り」です。毎年多くの観光客が訪れます。

徳島県の市町村

徳島県には24の市町村があります。そのうち市は8（徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、吉野川市、阿波市、美馬市、三好市）あります。

徳島県のご当地グルメ

徳島県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの品を紹介します。

徳島ラーメン

とんこつベースに濃口醤油を加えた濃い茶色のスープ、チャーシューではなく甘辛く煮込んだ豚バラ肉、煮卵ではなく生卵のトッピングが特徴的です。

鳴ちゅるうどん

鳴ちゅるうどんの特徴は、麺が不揃いなところです。短く柔らかいため、小さなお子さまも“ちゅるちゅる”と食べられます。出汁は、煮干しを使ったあっさりとした味わいで、トッピングの具材はネギと刻んだ油揚げのみとシンプルなソウルフードです。

祖谷そば

つなぎの粉を入れずに作るために、麺が切れやすく短くなるというのが特徴です。具材には油揚げ、かまぼこ、ねぎや山菜を加えて温かいだしを注いで食べます。

阿波尾鶏

地鶏の特定ＪＡＳ認定を取得した全国的にも有名な鶏肉です。旨み成分が多く含まれていると言われています。

鳴門鯛

鳴門海峡の激流で育ったマダイです。コリコリした食感と旨みが特徴です。

阿波牛

肉がやわらかく、きめの細かい肉質で、 またそれでいて適度にしまった肉質はどんなお肉料理にも最適なのが特徴です。

でこまわし

じゃがいも、そば団子、岩豆腐、丸こんにゃくを串に刺して味噌だれをつけて焼く三好市祖谷地方の郷土料理です。

そば米汁

そば米雑炊とも言われ、そばの実をそのまま塩ゆでして殻をむき、乾燥させたものを「そば米」として、野菜や肉とともにだしで煮込み雑炊に仕上げます。

阿波ポーク

阿波尾鶏と並ぶ徳島県のブランド肉です。

和三盆糖

徳島県産の高級和菓子で上品な甘さが特徴です。主にスイーツに利用されます。

徳島県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、徳島県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

徳島県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体・企業の取り組み

徳島県の企業や自治体では、ライドシェアやデマンドタクシーの取り組みが行われています。いくつかご紹介いたします。

株式会社電脳交通

タクシー配車システム開発・提供を行っている徳島県の企業「株式会社電脳交通」では、日本型ライドシェアの普及に向けて、乗客からの配車依頼をタクシーとライドシェアに振り分けるシステムや、副業運転手に向けた支援などを行っており、「Uber」や「Go」などのプラットフォームとも提携しています。株式会社電脳交通についてはこちらをご覧ください。

地方の企業が率先してライドシェアや相乗りサービスに取り組む意義はあると思います。地方に住んでいるからこそ、その地域の特性や利用者の傾向を分析し、地方に特化したベストな仕組みを築き上げることができると思われます。Uberのような都心部の移動の利便性を追求したビジネスモデルと、地方の過疎地域や観光地域の移動の利便性を追求したビジネスモデルでは求められるサービスが異なるように思います。地方から新しい価値が生まれることを期待します。

徳島市：デマンドバス「のるーと徳島市」

徳島市では、中心市街地の移動の利便性向上を図るためにデマンドバス「のるーと徳島市」の実証実験が行われています。利用対象者はどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必須です。予約は電話予約か専用アプリからの予約ができます。決まった運行時刻はなく、予約が入った段階でシステムが運行エリアの範囲内で最適ルートを選択します。詳細は徳島市のホームページをご覧ください。

予約のない時間帯は運行しないので、運営コストの最適化を図ることができます。また、このデマンドバスの仕組みは先ほど紹介した電脳交通も参画しております。

この取り組みは2024年4月から2025年５月まで実証実験が延長となりました。延長したということは、より多くの実績を積んで、本格運用に向けた課題抽出と改善ポイントの把握を行っていると思われます。今後の展開が楽しみです。

阿波市：デマンドタクシー「あわめぐり」

阿波市ではデマンドタクシー「あわめぐり」の運行が行われています。利用対象者は、70歳以上の高齢者や18歳未満の子供など、車で移動することができない方が対象です。利用するには事前予約が必須です。予約は電話予約かWEBから予約することができます。予約した時間が来たら、自宅付近から指定の乗降場所まで移動することができます。運行時間は決められています。詳しい情報は阿波市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは、車の運転ができず移動に課題を抱えている人への解決策としてデマンドタクシーが導入されています。運行時間が指定されている分、スムーズな移動という点ではまだ改善の可能性がありそうです。他の自治体ではAIを活用してドアtoドアかつ運行時間もフレキシブルなデマンドタクシーが運行されているので、地域のニーズに合わせてどこまでサービスが改善するか楽しみです。

阿南市：デマンドタクシー

阿南市ではデマンドタクシーの2024年4月から実証実験が行われています。利用対象者は町内在住の方です。利用するには事前予約が必須です。予約方法は電話予約かWEB予約を受け付けています。車両はタクシー車両が基本ですが、予約が多い場合は9人乗りのバンタイプを使用する場合もあります。自宅から指定された乗降場所まで移動することができます。詳しい情報は阿南市のホームページをご覧ください。

徳島県でNearMeを利用する

徳島空港への行き来にNearMeを利用することができます。サービスはNearMe Airportを利用することができます。対象エリアは徳島市・鳴門市・藍住町・北島町・松茂町、小松島市・阿南市・勝浦町・佐那河内村、上勝町・神山町です。

参考までに、1週間後に大人2人子供2人で徳島空港から徳島駅まで利用する場合の価格がどうなるのか見てみましょう。

料金は2440円となりました。この料金には早割（7日前予約）が適用された金額です。大人2人子供2人を単純に4人で移動したと考えると、一人当たりシェア乗りが610円程度で目的地にたどり着くことができそうです。なお、手配した車両にライドシェアする人が他にもいる場合は、シェア乗りの価格がもう少し安くなります。

気になる方はこちらからアプリをダウンロードしてみてください。

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徳島県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、徳島県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi（ウーバータクシー）

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で徳島県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

徳島県は、徳島市、名西郡石井町、名西郡神山町、名東郡佐那河内村、勝浦郡勝浦町、勝浦郡上勝町が対象エリアです。（※一部地域を除く）

まとめ

いかがでしたか？2024年4月時点で徳島県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。徳島県の企業が積極的にライドシェアリングサービスに参画いるため、県として推進しやすい環境にあると思われます。

2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。徳島県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、徳島県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。