観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。
この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。
本記事では、新潟県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。
新潟県について
新潟県は、日本の中部地方に位置します。県庁所在地は新潟市で人口は約220万人です。米の産出額が全国1位と言われています。
新潟県の観光スポットに目を向けると、佐渡島にある佐渡金銀山が有名です。2010年に佐渡金銀山は、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」としてユネスコの世界遺産暫定リストに記載されました。非常に魅力的な場所ではあるものの新潟市から佐渡島まではフェリーで2時間以上かかるので、旅行計画は余裕を持って臨むと良いでしょう。
新潟県の文化で全国的に有名な催しといえば、8月上旬に行われる長岡まつりです。長岡まつりの花火大会は日本三大花火大会の一つと言われるほど壮大なイベントです。花火大会の観覧は有料となっているので、行く予定の方はチケットの購入は早めに行うことをお勧めします。
新潟県の市町村
新潟県には30の市町村があります。そのうち市は20(新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、村上市、燕市、糸魚川市、妙高市、五泉市、上越市、阿賀野市、佐渡市、魚沼市、南魚沼市、胎内市)あります。
新潟県のご当地グルメ
新潟県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの品を紹介します。
へぎそば
魚沼地方発祥といわれる郷土料理です。へぎそばの「へぎ」は、剥ぎ板で作った四角い器のことです。そばはつなぎに布海苔を使っているのが特徴で、ルツルとした食感と弾力のあるコシが生まれます。
イタリアン
トマトソースがかかった焼きそばと軽く添えられた白ショウガが乗った、スパゲティ風焼きそばです。新潟県のB級グルメです。
タレかつ丼
通常のカツ丼とは異なり、卵で閉じずごはんとカツのみのシンプルな料理です。1つの丼にカツが2枚以上のっています。
新潟の回転寿司
米の産出額日本一、そして海の幸も豊富な新潟県は回転寿司のクオリティが非常に高いです。回転寿司店をハシゴする観光客もいるほどです。
のっぺ
里芋を主材料とし、野菜やきのこなどを薄味で煮たものにとろみがついた新潟の家庭料理です。
笹だんご
新潟の名産品です。新潟県のお土産の定番です。
のどぐろ炙り丼
新潟県で贅沢な料理を楽しみたい場合はのどぐろがお勧めです。その中でものどぐろを堪能できる料理の一つがのどぐろ炙り丼です。魚から溢れ出る油に食欲が止まりません。
ライドシェアとは
ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。
ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。
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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始
2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。
対策方針
- タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
- 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
- ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
- タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
- 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
- ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
- ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築
なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。
新潟県のライドシェアについて
日本型ライドシェアの運行
2024年4月時点で、新潟県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。
日本型ライドシェアの運行申請について
2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。
上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。
運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。
現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
新潟県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。
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自治体の取り組み
新潟県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。
新潟市:デマンドタクシー
新潟市の北区ではデマンドタクシーの運行が行われています。利用対象者は岡方地区の住民の方が利用できます。利用するためには事前予約が必須です。予約は電話予約のみ受け付けています。自宅近くから指定の乗降場所まで移動することができます。予約状況に応じてタクシー車両が運行します。詳しい情報は新潟市のホームページをご覧ください。
この取り組みでは1人で乗車した場合の料金が1000円(往復2000円)かかります。恐らく利用者は相乗りになるかどうかを把握する手段が提供されていないと思われるので、場合によっては片道1000円支払うことになります。2人以上で相乗りとなる場合は300円(往復600円)になるのでその差は歴然です。この料金体系で利用率の低下を招いていないか気になるところです。
三条市:デマンドタクシー「ひめさゆり のるーとさんじょう」
三条市の市街地エリアでデマンドタクシー「ひめさゆり のるーとさんじょう」の運行が行われています。利用対象者はどなたでも利用できます。利用するには事前予約が必須です。予約方法は電話予約、専用のアプリ、公式LINEアカウントから行うことができます。指定の乗降場所の区間を移動することができます。詳しくは三条市のホームページをご覧ください。
予約乗降に応じて運行時間やルートをシステムによって抽出するため、利用者の乗車時間の最適化や運営コストの最適化など路線バスにはないメリットを提供しています。一方で路線バスとのカニバリがありそうです。今後の地域が目指す公共交通機関のあり方をどうするのか気になるところです。
長岡市:デマンドタクシー「景虎号」
長岡市の栃尾地域ではデマンドタクシー「景虎号」が運行されています。利用するには事前予約が必須です。予約は電話予約のみ受け付けています。詳しくは長岡市のホームページをご覧ください。
パンフレットを確認したところ、利用シーンに通勤・通学、路線バスとの連結、病院への移動手段など記載されていました。この取り組みは、指定の乗降場所の区間を移動するサービスとなっているので、例えば、自宅から乗降エリアまでの距離がある高齢者にとっては使い勝手が悪いようにも思いました。
新潟県で利用できるタクシー配車アプリ
最後に、新潟県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。
Uber Taxi(ウーバータクシー)
グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。
しかし、2024年5月時点で新潟県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。
Go
GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。新潟県は、新潟市 ※、新発田市 ※、上越市 ※、長岡市 ※、小千谷市、北蒲原郡聖龍町 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)
現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。
まとめ
いかがでしたか?2024年4月時点で新潟県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。
そして、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。新潟県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、新潟県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!
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