栃木県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、栃木県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

栃木県について

栃木県は、日本の関東地方北部に位置します。県庁所在地は宇都宮市で人口は約190万人です。いちごが全国的に有名です。

栃木県の観光スポットに目を向けると、世界遺産に認定されている日光東照宮などの歴史的な建造物が多数あります。

栃木県のソウルフードは餃子です。宇都宮市には餃子の店が多数存在し、各店舗で独自の味を追求しているため食べ比べに栃木県まで訪れる方も少なくありません。

栃木県は東京から約130kmとアクセスが良好で、新幹線や高速バスなどを利用することで遠方からでも比較的容易に訪れることが可能です。また、県内の公共交通も充実しており、観光地間の移動も便利です。しかし、一部の観光地は山間部に位置しているため、アクセスに時間がかかることがあります。また、観光地によっては混雑することもありますので、訪問の際は事前に混雑状況を確認することをお勧めします。

栃木県の市町村

栃木県には26の市町村があります。そのうち市は14(宇都宮市、足利市、栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市、大田原市、矢板市、那須塩原市、さくら市、那須烏山市、下野市)あります。

栃木県のご当地グルメ

栃木県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

宇都宮餃子

全国的にも有名な宇都宮餃子は、ニラやキャベツといった野菜がふんだんに使われ、焼餃子・水餃子・揚餃子に調理するのが基本です。

佐野ラーメン

平打ちの中太ちぢれ麵に、透明度の高い醤油スープを合わせた佐野のご当地ラーメンです。

しもつかれ

大根・人参と塩鮭の頭、大豆、酒粕を醤油ベースで煮込んだ料理で、栃木県を代表する伝統的な郷土料理です。

とちぎ和牛

県内で育てられた黒毛和牛のうち、A・B4等級以上の最高級黒毛和牛のことを指します。サシが美しく入った霜降り肉は、キメの細かい肉質ととろけるような甘み・旨味が特徴です。観光で訪れた際は必ず食べたい一品です。

いちごスイーツ

いちごが名産の栃木県です。パフェやケーキ、いちごサンドなど様々なスイーツがあります。

湯波料理

良質の大豆からつくられているため栄養も豊富で、栃木ではさしみ、うま煮、吸物、酢の物などの料理で利用されます。

温泉とらふぐ

栃木県那須郡那珂川町で養殖技術が確立され、温泉水を利用して陸上養殖されるトラフグを指します。フランチャイズ契約で養殖事業が拡大したが、経営難に伴い2023年春の出荷を最後に養殖事業は停止しています。もし栃木県で温泉とらふぐを見つけたら希少価値が高いので食べてみてください。

じゃがいも入り焼きそば

ふかしたじゃがいもをメイン具材にした栃木市のご当地焼きそばです。

いもフライ

蒸したジャガイモを串に刺して衣をつけて揚げた後、ソースをかけて仕上げた佐野市のB級グルメです。

開運小山うどん

栃木県小山市のご当地うどんで、日光連山の伏流水から湧くきれいな水と、恵まれた大地で生産された良質な小麦粉「イワイノダイチ」を使ったうどんです。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

<関連記事>

日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

栃木県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、栃木県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

栃木県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

<関連記事>

自治体の取り組み

栃木県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

栃木市:デマンドタクシー「蔵タク」

栃木市ではデマンドタクシー「蔵タク」の運行が行われています。栃木市在住の方であればどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必要で、自宅から指定の乗降場所まで移動することができます。1日9便運行しています。詳しい情報は栃木市のホームページをご覧ください。

栃木市の北部と南部で運行しているタクシーが異なるようで、北部から南部への移動は途中で乗り換えが必要になります。また栃木市中央部は乗降場所が一部に限られているようでした。なぜこのような運用になったのかは確認できませんでしたが、スムーズな移動を提供することができるデマンドタクシーにしては少し移動の制限が多いように感じました。また、栃木市がなぜデマンドタクシーの導入を行ったのか理由が確認できませんでした。誰がどういう理由で栃木市のデマンドタクシーを利用するのか気になるところです。

壬生町:デマンドタクシー「みぶまる」

壬生町では、デマンドタクシー「みぶまる」が運行されています。町内在住に限らずどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必要で、自宅から町内であればどこへでも目的地の設定ができ移動することができます。1日9便運行しています。詳しい情報は壬生町のホームページをご覧ください。

壬生町でデマンドタクシーを運行している理由は確認できませんでしたが、自宅まで送迎可能な点を考えると高齢者など自宅から目的地への移動に問題を抱えている住民に向けたサービスと考えられます。

那珂川町:デマンドタクシー「なかちゃん号」

那珂川町では、デマンドタクシー「なかちゃん号」が運行されています。こちらはどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必要で、自宅から指定された乗降場所まで移動することが可能です。予約は電話予約のみ受け付けています。タクシー車両(10人乗りワゴン車またはセダン型車両)で移動します。詳しい情報は那珂川町のホームページをご覧ください。

このサービスの乗降場所を確認したところ、病院・薬局が4割程度を占めていました。ここからメインターゲットは高齢者を想定しているのではと思いました。人口を確認したところ、那珂川町全体で1.4万人に対して65歳以上が0.6万人(約43%)の割合なので、こちらがターゲットの人数と思われます。

栃木県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、栃木県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で栃木県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

栃木県は、栃木市 ※、宇都宮市 ※、鹿沼市 ※、下野市 ※、日光市 ※、足利市 ※、佐野市 ※、小山市 ※、真岡市、下都賀郡野木町 ※、下都賀郡壬生町 ※、河内郡上三川町 ※、芳賀郡益子、芳賀郡茂木町、芳賀郡市貝町、芳賀郡芳賀町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で栃木県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

しかし、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。栃木県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、栃木県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました