2023年12月に決定された「デジタル行財政改革会議の中間とりまとめ」において、タクシー事業者が運送主体となって地域の自家用車・ドライバーを活用し、タクシーが不足する分の運送サービスを供給すること(日本型ライドシェア)が決定され、2024年4月から東京、愛知、神奈川、京都の一部エリアから解禁となりました。
そして、2024年3月29日に国土交通省から新たな発表がありました。日本型ライドシェアの新たな対象エリアとライドシェア実施に向けたスケジュールについて確認しておきましょう。
追加調査エリアについて
3月29日に国土交通省は、4月中に配車アプリデータに基づき不足車両数を算出・公表する営業区域を発表しました。
対象エリア
- 札幌交通圏(札幌市、江別市、石狩市(旧厚田村、浜益村区域を除く)、北広島市、新千歳空港(冬期))
- 仙台市
- 県南中央交通圏(川口市・さいたま市・鴻巣市・上尾市・蕨市・戸田市・桶川市・北本市・伊奈町)
- 千葉交通圏(千葉市・四街道市)
- 大阪市域交通圏(大阪市、豊中市、吹田市、堺市、守口市、東大阪市、八尾市、門真市)
- 神戸市域交通圏(神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市・川西市・明石市・川辺郡・大阪国際空港の区域)
- 広島交通圏(広島市(旧湯来町区域を除く)、廿日市市(旧佐伯町、吉和村、大野町、宮島町区域を除く)、府中町、海田町、熊野町、坂町)
- 福岡交通圏(福岡市、春日市、大野城市、筑紫野市、太宰府市、古賀市、糸島市、那珂川市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町)
各エリアのタクシー不足数(2024年4月26日更新)
国土交通省が2024年4月26日に対象エリアのタクシー不足数を発表しました。調査結果は次のとおりです。
対象エリア | 車両不足の曜日と時間帯 | 不足車両数 |
北海道:札幌交通圏(札幌市、江別市、北広島市ほか) | 土日:1時台~4時台 | 110台 |
宮城県:仙台市 | 金:16時台~19時台 | 50台 |
土:0時台~3時台 | 30台 | |
埼玉県:県南中央交通圏(さいたま市、川口市ほか) | 火~金:0時台~5時台 | 140台 |
金土日:17時台~6時台 | 580台 | |
千葉県:千葉交通圏(千葉市、四街道市) | 土日:0時台~3時台 | 110台 |
大阪府:大阪市域交通圏(大阪市、豊中市、東大阪市ほか) | 土:0時台~3時台 | 420台 |
金土:16時台~19時台 | 240台 | |
兵庫県:神戸市域交通圏(神戸市、尼崎市、西宮市ほか) | 水金:0時台~3時台 | 100台 |
金土:17時台~5時台 | 510台 | |
広島県:広島交通圏(広島市、廿日市市ほか) | 月~木:16時台~19時台 | 100台 |
金土:16時台~3時台 | 220台 | |
日:16時台~20時台 | 70台 | |
福岡県:福岡交通圏(福岡市、春日市、大野城市ほか) | 月~木:16時台~21時台 | 220台 |
金土:16時台~5時台 | 520台 | |
日:15時台~21時台 | 230台 |
各数値は令和5年10月1日~令和5年12月31日の各社の配車アプリのデータに基づきます。※札幌交通圏は、令和5年4月1日~令和5年6月30日の各社の配車アプリのデータ
今回の対象エリアで最もタクシー不足があるのは、埼玉県の県南中央交通圏の週末(金土日)で580台という結果になりました。対して宮城県仙台エリアのタクシー不足数が最も少ない結果となりました。タクシー事業者の管理コストも踏まえて実施検討されることが予想されます。
実施までのスケジュール
- 5月以降にタクシー事業者に実施意向のある地域で順次ライドシェアの運行開始
<関連記事>
- 札幌市など北海道で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
- 宮城県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
- 埼玉県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか
- 千葉県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
- 大阪府で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
- 神戸市など兵庫県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
- 広島県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか
- 福岡県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか
同日発表された他地域のライドシェア運行について
3月29日同日の国土交通省の発表によると、「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡易な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」とのことです。従ってこれまで国土交通省から発表があった各都道府県調査エリア以外でも必要な申請をクリアした自治体については運行が認められるようです。
運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。
まとめ
いかがでしたか?今回の国土交通省の発表によって、日本型ライドシェアの実施エリアが拡大することがわかりました。タクシー不足の解消に貢献するかどうか、そして一般企業へライドシェアの取り組みが広がっていくのか、結果が楽しみです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!
コメント