熊本県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、熊本県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

熊本県について

熊本県は、日本の吸収地方に位置します。県庁所在地は熊本市で人口は約170万人です。すいか・メロンの生産量が全国第1位と言われています。

熊本県の観光スポットに目を向けると、阿蘇山や温泉が代表的です。また熊本県のご当地キャラクター「くまモン」も非常に人気が高いです。くまモンスクエアに行けばくまモンに会うことができます。

歴史的建造物に目を向けると、日本三名城の1つと讃えられる熊本城など史跡も多いのが特徴です。

熊本県の市町村

熊本県には31の市町村があります。そのうち市は14(熊本市、八代市、人吉市、荒尾市、水俣市、玉名市、天草市、山鹿市、菊池市、宇土市、阿蘇市、合志市、宇城市、上天草市)あります。

熊本県のご当地グルメ

熊本県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

阿蘇あか牛

阿蘇の大自然の中で豊かな牧草を食べて育つ褐毛和牛(あかげ)を “あかうし” と呼んでいます。そのあか牛を使った料理は絶品です。

馬肉料理

熊本は馬肉の消費量が全国一で、スーパーにも馬刺しが並ぶほど県民にとっては一般的な食材です。

からし蓮根

レンコンの穴に辛子味噌が詰まった、熊本の一般家庭で昔から作られていた郷土料理です。

熊本ラーメン

焦がしたり揚げたりしたニンニクのチップやマー油をマイルドな豚骨スープに加え、具材にキクラゲが入っているのが熊本ラーメンの特徴です。

いきなり団子

小麦粉を練って伸ばした生地で、厚さ1cm位の輪切りにしたさつまいもと粒あんを包んだものを蒸した、昔ながらの熊本の郷土菓子です。

太平燕(タイピーエン)

春雨スープにエビ、イカ、豚肉、白菜、キクラゲなどの五目炒めをベースに、揚げ玉子を添えた料理です。

だご汁

干ししいたけや煮干しなどで出汁をとり、麦味噌や白味噌、醤油で仕立てる。具材は里芋やごぼう、人参、白菜、鶏肉や貝類、山菜などが入った汁料理です。

高菜めし

高菜とご飯を混ぜたシンプルな料理です。

天草ちゃんぽん

日本三大ちゃんぽんの1つと言われ、麺が見えなくなるほどの野菜にすり身の蒲鉾やちくわ、魚介がしっかり炒められ乗っているちゃんぽん料理です。

天草うに

天草地方で獲れるウニです。寿司や丼物で食べると絶品です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

熊本県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、熊本県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

熊本県高森町:ライドシェアの検討

2024年4月に日本型ライドシェアが条件付きで解禁となります。その解禁を受けて、全国21の自治体がが本格検討に入りました。熊本県高森町もその1つとなっています。早期のライドシェアサービス開始が期待されます。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

熊本県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

熊本県の各自治体で検討が進んでいます。

荒尾市:デマンドタクシー「おもやいタクシー」

熊本県では荒尾市で運行されているAIオンデマンドタクシー「おもやいタクシー」が運営されています。令和2年10月にAI配車システムを活用した運行が開始されました。このAI配車システムを活用することで、相乗りを前提としつつ複数の予約をリアルタイムで効率的に配車することが可能となりました。さらに、令和4年3月には、おもやいタクシーの予約機能をはじめ、観光の情報発信やクーポンの発行などが可能な観光×交通アプリ「おでかけあらお」を構築しました。

人口減少や公共交通に対するニーズの多様化などにより公共交通利用者数は減少傾向にあり、それに伴い公共交通確保の維持に係る補助金額が増加傾向にあるため、補助金額の抑制及び公共交通の利便性向上を図り、公共交通全体の活性化を図る必要がありました。そのため、おもやいタクシーの導入により、特に利用者が減少したバス路線の再編を実施し、公共交通維持に係る補助金額を削減しました。

熊本市:デマンドタクシー「チョイソコくまもと西南」

熊本市の天明・飽田・小島・中島地域にお住いの方の日常生活の移動手段としてデマンドタクシーの実証実験が行われています。利用対象者に指定はありません。利用するためには事前予約が必要で、指定の乗降場所の区間を移動することができます。予約は電話予約かWEB予約を受け付けています。車両は8人乗りのハイエースを利用します。詳しい情報は熊本市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは、当該地域にいつ人々の日常生活に寄り添うことが目的です。荷物が重たい、歩くのが大変などの悩みに応えるべきサービスにしなければならないので、指定の乗降エリアだけではなく自宅から乗り降りができる取り組みにしなければ利便性の向上につながらないのでは、と思いました。現在実証実験中なので、利用者がより満足するサービスになることを期待します。

熊本市:デマンドタクシー「チョイソコくまもとキッズ」

熊本市では先ほどとは別目的のデマンドタクシーが運行されています。子育て世代の支援を目的に、自宅と習い事先・学習塾等までの間を複数の児童が乗り合わせ、それぞれの希望の場所に送り届ける実証実験となります。特定の学校区域に住んでいる小学生・中学生が利用対象となります。利用するには事前予約が必要で、指定の乗降場所の区間を移動することができます。詳しくは熊本市のホームページをご覧ください。

こちら、全国の自治体では数少ない、子供向けのデマンドタクシー運行になります。このような子育て支援に積極的にチャレンジする自治体は素晴らしいと思います。乗降時に保護者の方にメールを届けるフォローも備わっています。

熊本県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、熊本県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で熊本県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

熊本県は、熊本市 ※、合志市 ※、人吉市 ※、菊池郡菊陽町 ※、上益城郡益城町 ※、上益城郡嘉島町 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で熊本県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、観光地として人気の熊本県は荒尾市でデマンドタクシーの運行実施、2024年4月の日本型ライドシェア解禁に向けては高森町が本格検討を始めています。

また、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。熊本県の他の地域で日本型ライドシェア事業を運行するには、熊本県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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