観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。
この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。
本記事では、滋賀県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー
滋賀県について
滋賀県は、日本の近畿地方に位置します。県庁所在地は大津市で人口は約140万人です。
滋賀県といえば琵琶湖が有名です。およそ400万年もの長い歴史をもつ日本最古の湖で、世界中で20ほど存在する古代湖のうちの一つとされています。
また、県内には多くの古代の神社や寺院が点在しており、日本の歴史に触れることのできるスポットが多く存在します。その中でもおすすめは17世紀に建てられた彦根城で、国宝に指定されています。
滋賀県の市町村
滋賀県には19の市町村があります。そのうち市は13(大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、守山市、栗東市、甲賀市、野洲市、湖南市、高島市、東近江市、米原市)あります。
滋賀県のご当地グルメ
滋賀県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。
近江牛
日本三大和牛として知られ、約400年の歴史を持つブランド和牛です。肉質はきめ細かく、脂は甘くて、口の中でとろけるほど美味しいと評判です。滋賀県で食べるべき一品です。
鮒寿司
滋賀県の郷土料理で、琵琶湖でとれるニゴロブナを塩漬けにしたのち、炊いたご飯を重ねて漬け自然発酵させた料理です。鮒寿しには「本漬」と「甘露漬」の種類があります。
焼き鯖そうめん
焼きサバを煮こんでそうめんにからめる滋賀県の湖北地域を中心に県内全域で食されている郷土料理です。
近江ちゃんぽん
鶏ガラ・削り節・昆布からとった和風醤油出汁を使った、あっさりしたスープが特徴のちゃんぽんです。
ビワマス
日本の琵琶湖にのみ生息するサケ目サケ科に属する淡水魚です。脂がとろける上品な味と評判です。滋賀県で是非食べたい一品です。
のっぺいうどん
滋賀県長浜市の郷土料理で、大きなシイタケに湯葉や麩、土ショウガが入り、スープを葛粉でとろみをつけたうどんです。
赤こんにゃく
近江八幡市の名物で三二酸化鉄という鉄分で赤く染めたこんにゃくです。近江八幡市近辺の冠婚葬祭や学校給食などには欠かせない一品とされています。
サラダパン
マヨネーズで和えた刻みたくあんのペーストをコッペパンに挟んだ調理パンです。
糸切餅
米粉で作った白い餅でこし餡を包む滋賀県の伝統的な和菓子です。
鴨鍋
鴨肉と野菜を一緒に煮込んだ鍋料理です。
ライドシェアとは
ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。
ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。
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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始
2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。
対策方針
- タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
- 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
- ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
- タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
- 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
- ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
- ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築
なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。
滋賀県のライドシェア検討状況
日本型ライドシェアの運行
2024年4月時点では滋賀県で日本型ライドシェアの運行は行われておりません。検討に関しては、2024年2月29日の滋賀県知事定例会見で、2025年に滋賀県内で開かれる国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会での導入を見据えて検討を行っていると発言がありました。滋賀県内においても「公共交通機関だけでは移動ニーズに応えきれていない」「タクシー運転手不足」などの課題があるとのことです。
日本型ライドシェアの運行申請について
2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。
上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。
運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。
現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
滋賀県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。
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自治体の取り組み
自治体の取り組みでは、大津市の志賀地域にてデマンドタクシー(予約制の相乗りタクシー)の「光ルくん号」が運行されています。特徴としては停留所が指定されており、7箇所の停留所内で乗り降りをするバスに近い形の移動手段となります。事前に予約が必要となるので詳しい利用方法は大津市のホームページをご覧ください。
一方で、県庁所在地である大津市において、なぜデマンドタクシーが運行されているのでしょうか。調べたところ、旧志賀町は人口2万人ほどのエリアですが、年々人口が減少している地域のようです。過疎化が進んでいる地域ということは、雇用が不足している可能性があり、その中の一つにバスやタクシーの運転手不足となっていることが想定されます。公共交通手段がなくなると、車を持っていない住民の生活に大きく影響します。おそらくこのような問題が顕在化したことで、デマンドタクシーで対策を試みているのでしょう。
志賀エリアのデマンドタクシーは停留所の範囲内に移動が限られるため、フレキシブルな移動を求めている人にとっては不便な部分もあります。新たな課題が見えた場合は、日本型ライドシェアの導入も検討されることでしょう。
滋賀県で利用できるタクシー配車アプリ
最後に、滋賀県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。
Uber Taxi(ウーバータクシー)
グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。
滋賀県は、大津市などで利用することができます。最新の情報はUberにて確認してください。
Go
GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。滋賀県は、大津市、草津市、守山市、栗東市 ※、野洲市 ※、彦根市、東近江市 ※、長浜市、米原市、愛知郡愛荘町、犬上郡豊郷町、犬上郡甲良町、犬上郡多賀町が対象エリアです。(※一部地域を除く)
現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。
まとめ
いかがでしたか?滋賀県では、大津市の一部地域で相乗りタクシーが運行されています。背景には地元の住人の交通手段が不足している課題があると考えられます。この課題を解決するために相乗りタクシーの運行が行われていますが、停留所が指定されていることから利用者の満足度が改善されない懸念もあります。その場合は日本型ライドシェアの導入も検討されることでしょう。2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。滋賀県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、滋賀県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!
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