青森県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、青森県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

青森県について

青森県は、日本の東北地方に位置します。県庁所在地は青森市で人口は約120万人です。リンゴが全国的に有名です。

青森県の観光スポットに目を向けると、世界遺産に登録されている白神山地、三内丸山遺跡、奥入瀬渓流、十和田湖など人気スポットが多数あります。

青森県と北海道の間に津軽海峡冬景色でおなじみの津軽海峡があります。その津軽海峡には青函トンネル通っています。

青森県の文化で全国的に有名な催しといえば、毎年8月に行われる青森ねぶた祭です。華やかな山車や勇壮な太鼓の音が街を彩ります。

青森県の市町村

青森県には40の市町村があります。そのうち市は10(青森市、弘前市、八戸市、黒石市、五所川原市、十和田市、三沢市、むつ市、つがる市、平川市)あります。

青森県のご当地グルメ

青森県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

のっけ丼

のっけ丼とは、地元の鮮魚店で選んだ刺身を自由に選んでのせて作る海鮮丼です。青森県は漁業が盛んなので美味しい魚が沢山あります。のっけ丼は美味しい魚を一度にたくさん食べることができるうれしいシステムです。

いちご煮

ウニとアワビを使った郷土料理で、祝い事などの特別な日に食べる汁料理です。

うに丼

青森県は新鮮なうにが取れます。豪快に盛り付けたうに丼は美味です。

大間マグロ

青森県で有名な魚といえば大間のマグロです。市場価値が高く「黒いダイヤ」とも称されます。年始の築地市場で行われる初競りの対象となるマグロに大間のマグロが選ばれることが多いです。2024年は最高値1億1424万円で落札されました。味も別格なので青森県で絶対食べたい一品です。

味噌カレー牛乳ラーメン

味噌をベースにカレー粉、牛乳が絶妙なバランスのスープにバター、もやし、メンマ、わかめをトッピングしたラーメンです。一度食べたらやみつきになります。

黒石つゆやきそば

青森県黒石市のB級グルメとして人気です。太平麺をウスターソースで炒めたやきそばに、たっぷりのつゆをかけて食します。ラーメンスープをかけたり天ぷらをトッピングしたり、お店ごとに様々なタイプが存在するので店選びも楽しみの一つになります。

せんべい汁

せんべいを味噌汁や鍋に入れて煮た料理です。鶏だし醤油味の鍋に野菜、糸こんにゃくなどを入れ、せんべいを割り入れて煮込んで食べるのが一般的です。八戸市に多く店舗があります。

十和田バラ焼き

十和田市の名物で、牛のバラ肉と大量のタマネギを、醤油ベースの甘辛いタレで味つけし、鉄板で焼く料理です。

貝焼き味噌

ホタテの貝殻を鍋のように使い、出汁に味噌を溶き入れ、煮立ったところで具材を入れ、最後に卵でとじて食べる鍋料理です。

じゃっぱ汁

普通は食べずに捨てる魚の頭や骨、皮、内臓などを使ったあら汁です。野菜は大根とねぎは必ず入ります。その他の野菜や豆腐などの具材はお店によって異なります。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

青森県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、青森県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

青森県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

青森県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

青森県北部:デマンドタクシー「わんタク」

公共交通機関が近くになく移動手段に困っている地域住民への対策として、青森県ではデマンドタクシーの実証実験が以前行われました。その結果を踏まえて「わんタク」としてデマンドタクシーの本格運行が行われています。利用対象者はどなたでも利用可能です。利用するためには事前予約が必須となります。予約は電話予約かWEB予約で受け付けています。「わんタク」にはフリー便と定時便の2つのプランを利用することができます。フリー便は運行地域であればどこでも乗り降りができるプランです。定時便はバスと基本同じ、違いはルート内のどこでも降りることができるのが特徴のプランです。

詳しい情報はわんタクのホームページをご覧ください。ホームページ内では、定時便の現在地がわかるコンテンツもあり、利便性の高いサイトになっています。

むつ市:デマンドタクシー

むつ市の大畑~奥薬研地区にて、廃止された路線バス『薬研・小目名線』に代わる交通手段としてデマンドタクシーを運行しています。利用対象者はどなたでも利用することができます。利用するためには事前予約が必須です。バスと同じで停留所区間内を移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。路線バスに代わる移動手段ではありますが、車両はセダンタイプのタクシーを利用します。詳しい情報はむつ市のホームページをご覧ください。

ちなみに、予約がない場合は運行自体行われません。路線バスよりも運行の効率化を図ることができます。

弘前市:デマンドバス「弘前オンデマンド交通」

弘前市内では、観光やショッピングなど市内の便利な移動手段を提供するためにデマンドバス「弘前オンデマンド交通」を導入しました。9月30日まで実証実験が行われます。利用対象者はどなたでも利用することができます。利用するには事前予約が必須です。通常のバスと同じ運行スタイルで、指定の停留所の区間を移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳細は弘前市のホームページをご覧ください。

今回、観光エリア・ショッピングエリアでこの取り組みが実施されていますが、比較的駅から近い場所で移動範囲も比較的狭い範囲の利用となります。気になる点は利用ニーズです。利用者のターゲットが誰でどういう課題を現在抱えているのかが見えなかったので、利用イメージを想像することができませんでした。また、利用料金が400円というのも今回の提供エリアからすると、他の自治体の取り組みと比較すると割高のように感じました。現在実証実験中とのことなので、どういう結果が得られて、今後どのように改善していくか楽しみです。

NearMe(ニアミー)を利用したライドシェア

NearMeは乗車地から空港へ移動するためのタクシーをライドシェアすることができるサービスです。※政府が推進している「日本型ライドシェア」とは異なります。

NearMe Airport:エアポートシャトル

最大9名まで乗ることができるライドシェア(相乗り)サービスです。乗車地から目的地(空港)までのルートをAIで分析し、利用者をピックアップするルートの最適化を行い、目的地に向かいます。
ドライバーはNearMeが提携している運行事業者が行います。

NearMe Limo:エアポート貸切リモ

最大9名まで乗ることができる貸切ハイヤー・タクシー配車サービスです。NearMe Airportとは異なり、荷物の追加料金は発生しません。乗車48時間前まではキャンセル無料です。ドライバーはNearMeが提携している運行事業者が行います。

青森県でNearMeを利用する

青森空港への行き来にNearMeを利用することができます。利用できるサービスはNearMe Airportのみです。対象エリアは青森市(一部エリアを除く)、弘前市(一部エリアを除く)です。

参考までに、1週間後に大人2人子供2人で青森空港から青森駅まで利用する場合の価格がどうなるのか見てみましょう。まずは、移動条件を入力します。

入力した結果は次の通りになりました。

料金は6440円となりました。この料金には早割(7日前予約)が適用された金額です。大人2人子供2人を単純に4人で移動したと考えると、一人当たり1500円程度で目的地にたどり着くことができそうです。なお、手配した車両にライドシェアする人が他にもいる場合は、もう少し価格が安くなります。

気になる方はこちらからアプリをダウンロードしてみてください。 [Sponsored]

青森県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、青森県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

青森県は、青森市、弘前市などで利用することができます。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

青森県は、青森市 ※、弘前市、十和田市、三沢市、八戸市、東津軽郡蓬田村、東津軽郡平内町、中津軽郡西目屋村、上北郡おいらせ町、三戸郡階上町、三戸郡五戸町 ※、三戸郡南部町 ※が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で青森県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

また、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。青森県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、青森県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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