福井県で日本型ライドシェアやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、福井県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

福井県について

福井県は、日本の北陸地方に位置します。県庁所在地は福井市で人口は約76万人です。眼鏡の生産量が全国1位と言われています。

福井県の観光スポットに目を向けると、東尋坊や三方五湖など自然を堪能できるスポットが多数あります。また、恐竜博物館は恐竜好きにはたまらないスポットです。

福井県の文化で全国的に有名な催しといえば、国の無形民俗文化財に指定されている「越前万歳初舞」です。日本三大古典万歳のひとつとされています。

福井県の市町村

福井県には17の市町村があります。そのうち市は9(福井市、敦賀市、小浜市、大野市、勝山市、鯖江市、あわら市、越前市、坂井市)あります。

福井県のご当地グルメ

福井県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの品を紹介します。

越前おろしそば

強力粉をつなぎとした蕎麦に、たっぷりの大根おろしと削り節、きざみネギをのせた冷たいそばです。

越前ガニ

甘くひきしまった肉質で、ズワイガニの中でもトップブランドと言われています。茹でガニ、カニ刺し、しゃぶしゃぶなど様々な料理で堪能することができます。

若狭ふぐ

若狭湾で養殖されたトラフグで、身の質は天然にも劣らないと言われています。てっさ(刺し身)、てっちり(ふぐ鍋)で味わうと良いでしょう。

ボルガライス

オムライスの上にトンカツを乗せた主食です。福井では30年以上前から食べられているソウルフードです。

ソースカツ丼

薄くスライスされた豚肉をきめ細かいパン粉でカラッと揚げ、熱々のうちにソースに絡めたカツをご飯にのせた福井県のご当地グルメです。

焼き鳥

福井県は焼き鳥の消費量が全国トップレベルです。なかでも「じゅんけい」(卵を産んだ雌の親鳥)は、噛むほどに旨みがあふれる人気メニューです。

敦賀ラーメン

屋台ラーメンがルーツと言われています。豚骨・鶏ガラベースの濃厚な醤油スープに中細麺が特徴です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

福井県のライドシェアについて

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、福井県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

福井県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体・企業の取り組み

福井県の各自治体や企業はライドシェアやデマンドタクシーなどを利用して地域の交通課題を解決する動きがあります。いくつかご紹介いたします。

鯖江市:ライドシェア「ちょいボラ交通」

福井県鯖江市で自家用有償旅客運行制度を利用したライドシェアです。発着点どちらかが鯖江市河和田の場合に利用することができます。料金は正規タクシー料金の約6割程度です。「一般社団法人地域公共交通鯖江」がサービスを運営しています。

詳しい利用方法についてはこちらをご覧ください。

スグクル

配車アプリの開発・運営を行っている福井県の企業「スグクル」は、2024年1月に配車アプリ「スグクル」を活用した日本型ライドシェアの参入を表明しました。

福井市:デマンドタクシー

福井市南東地区(麻生津地区、上文殊地区、文殊地区、六条地区)で、デマンドタクシーが運行されています。運行時間の範囲内で予約状況に応じて最適な移動ルートをシステムで導き出し運行を行うため、効率的な移動手段の提供を利用者に行うことができます。運営側も運営コストの最適化を図ることができます。予約は電話予約またはWEB予約の受付を行っています。指定された乗降場所の区間内を移動することができます。車両は通常のタクシータイプで移動します。詳しくは福井市のホームページをご覧ください。

この取り組みでは、バスとは異なり予約した時間に応じて停留所に向かうことができるため、バスよりもスムーズな移動を実現することができます。地方ではバスが1時間に1本しか運行していない場合もあるので、そのような状態にはなりません。ドアtoドアの実施はまだ行われていないようでしたが、利用者の満足度はどの程度なのか気になるところです。

若狭町:デマンドタクシー

若狭町でもデマンドタクシーの運行が行われています。利用対象者はどなたでも運行することができます。利用するには事前予約が必須です。予約は電話予約かWEB予約を受け付けています。予約時間になったら、自宅から目的地まで移動することができます。詳細は若狭町のホームページをご覧ください。

この取り組みでは利用料金が少し気になりました。一人で利用する場合片道500円(往復で1000円)かかってしまいます。そして、相乗りの場合は片道300円(往復600円)です。相乗りができない場合、この地方の平均年収から考えると移動コストは割高のように感じました。利用者からすると相乗り率が低いとコスト面で不満が出そうです。

若狭町の人口は1.4万人程度です。仮にデマンドタクシーが新しい地域の移動手段提供を目指すのであれば、利用率、相乗り率改善に向けた取り組みが必要になるでしょう。

福井県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、福井県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で福井県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

福井県は、福井市、鯖江市 ※、あわら市、坂井市、敦賀市、越前市、大野市、吉田郡永平寺町 ※、丹生郡越前町、三方郡美浜町、三方上中郡若狭町 ※、南条郡南越前町、今立郡池田町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で福井県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。福井県の企業がライドシェアサービスに参画する動きもあり、県としてライドシェアの領域は推進しやすい環境にあると感じました。

そして、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。福井県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、福井県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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