群馬県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、群馬県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

写真引用:心にググっと観光ぐんま

群馬について

群馬県は、関東地方の北部に位置します。県庁所在地は前橋市で人口は190万人です。ほうれん草の生産量が全国1位と言われています。

群馬県の観光スポットは自然、歴史、文化、温泉などが多数存在するため、観光客が群馬県を訪れる目的は様々です。特に温泉は全国的に有名な草津温泉、伊香保温泉、四万温泉があります。歴史に関しては、世界遺産に認定されている富岡製糸場があります。

群馬県は山岳地帯が多いため、冬季は雪が多く降る地域もあります。冬季に訪れる際は適切な交通手段を選ぶことをお勧めします。

群馬県の市町村

群馬県には35の市町村があります。そのうち市は12(前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、沼田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、みどり市)あります。

群馬県のご当地グルメ

群馬県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

おっきりこみ

群馬県の郷土料理で、小麦で作った麺を、各家庭にある野菜やきのこなどの具材と一緒に煮込む料理です。麺の生地を麺棒などに巻いて、包丁で切り込みを入れることから「おきりこみ」と名付けられたそうです。

こんにゃく味噌おでん

こんにゃくを水洗いし、食べやすい大きさに切ってから串に刺し、たっぷりの水と酒でこんにゃくを煮込んだら、味噌だれをかけて食べるおでんです。

水沢うどん

日本三大うどんの一つとされています。所々が透き通った美しい麺は、つるっとした喉ごしの良さと、噛み応えのあるコシが特徴です。

焼きまんじゅう

小麦粉やもち米にどぶろくを加えて発酵させ、蒸してまんじゅうにし、さらに竹串に刺して味噌だれをつけてから焼き上げた料理です。

高崎パスタ

群馬県は小麦の産地としても有名で、その小麦の美味しさを活かしたパスタ料理が人気です。

太田焼きそば

群馬県太田市のご当地グルメで、特製のソースと細麺が特徴の焼きそばです。

ソースカツ丼

豚カツに特製のソースをかけてご飯の上にのせた丼です。

峠の釜めし

群馬県を代表する駅弁です。

上州御用鳥めし

群馬県の名物弁当です。秘伝のたれと厳選された鶏肉を使った鳥めしです。

みそパン

群馬県のみそパンは、特製の味噌ダレを自家製のパンにサンドしたものです。甘くてしょっぱい味わいを楽しむことができます。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

群馬県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、群馬県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

群馬県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

群馬県:Maas(Mobility as a Service)

群馬県はMaaSに積極的な県です。県をあげて「GunMaaS」というサービスを提供しています。「GunMaaS」は、スマホアプリを通じて、バスや鉄道、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなど、さまざまな交通を一括で利用し、目的地までの移動手段を提案してくれます。また、フリーエリア内の普通列車が乗り放題となる『ぐんまワンデーローカルパス』や、JR前橋駅を中心とした市内中心部の『路線バス』と市内を循環している『マイバス』のほか、各種便利な交通チケットを発売しています。将来的に群馬県内でライドシェアサービスが始まった場合は、GunMaaSとの連携も期待されます。

富岡市:デマンドタクシー「愛タク」

富岡市では、決められた路線を時刻表どおりに運行する相乗りタクシーを運行していましたが、高齢者を中心に安心した移動手段の提供と効率的な運行行うためデマンドタクシーの運行に切り替えました。ICT(情報通信技術)を活用した配車システムを導入し、予約状況に応じて最も効率的なルートで運行することができます。

利用対象者は全員ですが、市内の方と市外の方で利用料金が異なります(市内:100円、市外:500円)。利用するためには事前予約が必要で、指定された乗降場所の区間の移動を行うことができます。予約は電話予約、専用アプリからの予約、LINE公式アカウントからの予約が可能です。車両は7人乗りのミニバンを利用できます。詳しい情報は富岡市のホームページをご覧ください。

ICTのシステムはソフトバンク株式会社やトヨタ自動車株式会社などによる共同出資会社の「モネ・テクノロジーズ株式会社」が提供しています。

渋川市:こども向けデマンドタクシー「こどもデマンド渋川」

渋川市では、塾や習い事、放課後児童クラブへの移動や、部活動の地域移行に伴う移動など、こどもの移動に関する課題を解決するためのサービスとしてデマンドタクシー「こどもデマンド渋川」の運行が行われています。利用対象者は18歳未満で、運行時間帯は平日が16:00~22:00、休日が7:00~13:00に利用することができます。本サービスはGunMaaSとの連携を行なっており、会員登録や予約はGunMaaSのアプリから行います。運行エリアは渋川市全域となります。詳しい情報は渋川市のホームページをご覧ください。

これまで全国各自治体を調べてきましたが、こどもに特化した課題解決手段としてデマンドタクシーを運行している数少ない自治体です。目的自体は大変共感ができましたが、片道料金500円(1ヶ月乗り放題:3000円)とデマンドタクシーの料金としては少々割高なため、どのくらいの利用率になっているのか気になるところです。

群馬県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、群馬県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で群馬県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

群馬県は、前橋市、高崎市、伊勢崎市、藤岡市、館林市、富岡市、安中市、渋川市、太田市、桐生市、みどり市、北群馬郡榛東村、北群馬郡吉岡町、多野郡上野村、多野郡神流町、甘楽郡下仁田町、甘楽郡南牧村、甘楽郡甘楽町、佐波郡玉村町、邑楽郡大泉町、邑楽郡板倉町、邑楽郡明和町、邑楽郡千代田町、邑楽郡邑楽町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で群馬県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

そして、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。群馬県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、群馬県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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