愛媛県で日本型ライドシェアサービスやデマンドタクシーは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、愛媛県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

写真:愛媛県観光物産協会

愛媛県について

愛媛県は、四国地方の北西部に位置します。県庁所在地は松山市で人口は130万人です。みかんが全国的に有名です。

愛媛県の観光スポットに目を向けると、日本でも有名な温泉の1つ道後温泉や宇和島城などがあります。産業面では、農業や養殖業(真珠や鯛など)が有名です。養殖真鯛の国内シェアは50%強ともいわれています。

愛媛県の文化で全国的に有名な催しといえば、毎年10月に行われる新居浜太鼓祭りです。日本三大喧嘩祭りとしても数えられるなど、本格的な喧嘩祭りとして有名です。

愛媛県の市町村

愛媛県には20の市町村があります。そのうち市は11(松山市、今治市、宇和島市、八幡浜市、新居浜市、西条市、大洲市、伊予市、四国中央市、西予市、東温市)あります。

愛媛県のご当地グルメ

愛媛県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

鯛料理

愛媛県は鯛の生産量が日本一です。鯛そうめんという料理もあります。

鯛めし(松山風)

焼いた鯛を昆布だしでふっくら炊き込んだ料理です。松山市を中心とした中予~東予地方の鯛めしです。

鯛めし(宇和島風)

生卵入りのタレに漬けた鯛のお刺身を、タレごと温かいごはんに掛けて食べる料理です。宇和島市を中心にした南予地方の鯛めしです。

じゃこ天

小魚の身・皮・骨をすり潰し、小麦粉、卵、塩を加え堅めに混ぜ、形を整えて油で揚げる料理です。

じゃこカツ

じゃこ天の材料をベースに、パン粉をつけてカツのように揚げた料理です。

せんざんき

若鶏の骨付き唐揚げです。鶏料理が盛んな東予地方の郷土料理とされています。

鍋焼きうどん

甘く味付けされた出汁にレトロなアルミ鍋を使って料理するのが特徴です。

柑橘類のスイーツ

みかんやデコポンを使ったスイーツが多数あります。

坊ちゃん団子

夏目漱石の小説「坊ちゃん」をモチーフに商品開発がされたことが背景で、色の違う団子(上から抹茶・卵・小豆)を3個串刺しにしたものが最もポピュラーです。お土産に最適です。

タルト

松山市では、カステラ生地であんを巻いたロールケーキ状のお菓子を「タルト」といいます。お土産に最適です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

愛媛県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、茨城県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

愛媛県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

愛媛県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

新居浜市:デマンドタクシー

新居浜市では、路線バスのご利用が難しい方、移動を自家用車に頼れない方の買い物や通院など交通手段としてデマンドタクシーの運行が行われています。利用対象者は、当該地区在住でバス停留所から直線距離で300m圏外に住んでいる方が対象です。利用は事前予約が必須で、自宅から各施設まで専用の車両で移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳細は新居浜市のホームページをご覧ください。

こちらのデマンドタクシー利用料金は片道500円(往復1000円)となります。他の自治体では300円前後の印象なので少々割高な印象を持ちました。なぜ割高な利用料金となっているのでしょうか。運営はタクシー事業者が行なっているので、通常のタクシー配車フローをベースにしているからなのでしょうか。気になるところです。そしてこの価格帯で実際の利用率や利用者の満足度はどのようになっているのでしょうか。

宇和島市:デマンドタクシー

宇和島市の宇和島地区にて、公共交通機関が運行していない地域で、車を保有していないなどによって日常の移動手段に課題を抱えている住民への解決策としてデマンドタクシーが運行されています。当該地域の住民が利用対象となります。利用するためには事前予約が必須です。予約は電話予約のみ受け付けています。通常のバスと同じように、指定された停留所から目的地の停留所までの区間を移動することができます。詳細は宇和島市のホームページをご覧ください。

移動手段に困っている人向けではあるものの、バスと同じ運行方式なのが気になりました。バスと同じ運行方式だと、停留所までの道のりまでは徒歩で移動することになるため、利用者にとって満足のいく移動手段の提供とは言えなくなりそうです。フレキシブルでスムーズな移動提供を行う仕組みがデマンドタクシーの特徴だと思うので、最低限自宅近くまで送迎する必要があるのでは、と思います。他の自治体でもドアtoドアのデマンドタクシーを運行している事例もあるので、実現可能です。現状の利用者の評価次第では運行の仕組みを検討する必要があるかもしれません。

伊予市:デマンドタクシー「スマイル号」

伊予市では、過疎化が進む中山地域・双海地域において、住民の生活交通手段提供を目的にデマンドタクシー「スマイル号」の運行が行われています。伊予市双海町・中山町在住で、一人で乗り降りができる方が利用対象となります。利用するには事前予約が必須です。予約は電話予約のみ受け付けています。自宅から目的地まで移動することができます。詳しい情報は伊予市のホームページをご覧ください。

こちらの取り組みは、レポートによると1ヶ月で600人ほどの利用があるようです。当該エリアの人口が4000人程度なので、利用率は人口の15%程度となります。人口のうち、日常の移動手段に課題を抱えている人の割合が仮に半分の2000人だとすると利用率は30%となるので、取り組みとしては一定の成果が出ていると考えられます。また、免許返納した人には10回分無料利用券の配布を行うなど、地域の移動手段の定着を目指したキャンペーンも実施しております。

愛媛県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、愛媛県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で愛媛県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

愛媛県は、松山市 ※、東温市、今治市 ※、伊予郡砥部町、伊予郡松前町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で愛媛県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

また、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。愛媛県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、愛媛県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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