岐阜県で日本型ライドシェアサービスやタクシー配車サービスは利用できるのか

観光需要が増えてきた昨今、タクシー等を活用したラストワンマイルのニーズが高まり供給不足に陥っているというニュースを見かけることが多くなりました。国内外から訪れた人をスムーズに目的地に誘導できなければ観光産業の機会損失につながります。

この問題には国も積極的な動きを見せて解決を試みています。その中で出てきた解決策の一つがライドシェアです。

本記事では、岐阜県で日本型ライドシェアが利用可能かどうかについてと、各自治体が取り組んでいるデマンドタクシーの情報をご紹介いたします。

岐阜県について

岐阜県は、日本の中部地方に位置します。県庁所在地は岐阜市で人口は約190万人です。滝の数が全国第1位と言われています。

岐阜県の観光スポットに目を向けると、世界遺産にも登録されている白川郷が非常に有名です。国内外からたくさんの観光客が訪れます。周辺にはツアーやアクティビティもあり自然を堪能することができます。また日本の「三名泉」のひとつとされている下呂温泉も岐阜県にあります。

岐阜県の文化で全国的に有名な催しといえば、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている大垣祭です。大垣八幡神社のお祭りで、毎年5月15日直前の土曜日、日曜日に行われます。

岐阜県の市町村

岐阜県には42の市町村があります。そのうち市は21(岐阜市、大垣市、高山市、多治見市、関市、中津川市、美濃市、瑞浪市、羽島市、恵那市、美濃加茂市、土岐市、各務原市、可児市、山県市、瑞穂市、飛騨市、本巣市、郡上市、下呂市、海津市)あります。

岐阜県のご当地グルメ

岐阜県は美味しいご当地グルメがあります。以下におすすめの10品を紹介します。

飛騨牛

岐阜県を代表する黒毛和牛で、美しい霜降りときめ細かな肉質が特徴です。ステーキや焼肉、朴葉焼きなど様々な料理で楽しめます。

鶏ちゃん焼き

しょうゆや味噌をベースにしたタレに漬け込んだ鶏肉をキャベツなどといっしょに焼いて食べるシンプルな料理です。 地域やお店、家庭によって、味が千差万別なのも特徴です。

奥美濃古地鶏

天然記念物に指定されている「岐阜地鶏」を基に、岐阜県が開発した鶏です。 歯ごたえが良くコクのある旨味が特徴です。シンプルな味付けでステーキにしても肉が硬くなりにくくパサつきが少ないのも特徴です。

美濃ヘルシーポーク

岐阜県のブランド肉です。臭いが少なく、やわらか、脂肪はあっさりとして、健康によいとされる、不飽和脂肪酸が多く含まれているのが特徴です。

ぎふジビエ

イノシシやシカの肉を使用した料理で、ぼたん鍋や焼肉などがあります。

高山ラーメン

和風だしの醤油スープに、細めの縮れ麺が入っているのが主な特徴です。

朴葉味噌

朴葉の上に、自家製のこうじ味噌を乗せて焼いた郷土料理です。

すったて汁

茹でた大豆をすり鉢や石臼などですりつぶした「すったて」に、味噌や醤油などを加えた汁料理です。

漬物ステーキ

白菜の漬物を焼いて味をつけ、卵とじにした料理です。

たじみそ焼きそば

多治見市のご当地B級グルメで、ピリ辛味噌を使用した焼きそばと半熟の目玉焼きを乗せ味噌と絡めて調理する料理です。

ライドシェアとは

ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。

ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。

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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始

2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。

対策方針

  • タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
  • 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
  • ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
  • タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
  • 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
  • ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
  • ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築

なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。

岐阜県のライドシェア検討状況

日本型ライドシェアの運行

2024年4月時点で、岐阜県では日本型ライドシェアの運行は行われておりません。

日本型ライドシェアの運行申請について

2024年3月29日の国土交通省の発表によると、政府の調査対象外エリアのライドシェアについては「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と記されています。簡便な算出方法とは、「金曜日・土曜日の 16 時台から翌 5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該営業区域 内のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす」のような調査結果報告のことを指すようです。

上記に限らず、営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなし、タクシー不足分を補うライドシェアの運行本数が決まるようです。ただし地域によっては適用外となる場合もあるので注意が必要です。

運輸局への申請については国土交通省のホームページに申請書が公開されました。必要事項を記入のうえ受理された場合に、該当エリアでのライドシェア運行が許可されます。なお、申請手続きは「ライドシェア事業を実施しようとする法人タクシー事業者が行う」とされています。

現時点でライドシェア事業を運行するためには、自治体の調査とタクシー事業者の協力が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

岐阜県は政府の調査対象エリア外に該当します。よって、上記の申請を行い、承認が下り次第県内でのライドシェア運行を開始することができます。

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自治体の取り組み

岐阜県は自然豊かな場所がたくさんあります。そのため、車の利用が必要不可欠な地域が多く存在します。近年では、利便性を求めて人口が地方から都心部に集中する事象が発生しています。人口が流出してしまうと過疎化が進み、自治体の予算も逼迫することから公共事業の運営が厳しくなります。すると、公共交通にも影響を及ぼし、路線バスの運行終了など地域住民の移動手段がなくなってしまうこともあります。そのような状態を打開するために、各自治体ではさまざまな取り組みを行っております。いくつか事例をご紹介いたします。

岐阜市:デマンドタクシー

岐阜市の方県・網代・黒野地区の一部では、これまでコミュニティバス「方県・網代バス」が運行されていました。しかし、令和2年6月1日から、事前予約のあった停留所を巡回するデマンドタクシーの運行に切り替えました。利用対象者は誰でも利用することができます。利用するには事前予約が必要で、指定された乗降場所の区間を移動することができます。予約は電話予約かWEB予約を受け付けています。詳しい情報は岐阜市のホームページをご覧ください。

ではなぜコミュニティバスからデマンドタクシーに切り替えを行ったのでしょうか。おそらく、地域にマッチした移動手段の観点と、運行にかかるコスト面の2つが考えられます。コミュニティバスは決まった時間帯の運行を行いますが、利用者の利用タイミングや行き先が多様化しているなど、コミュニティバスの利便性に問題があったという可能性があります。また、コスト面でも、定刻での運行が必要なので、利用者がいない場合は収入がないのにバスを走らせることになります。この辺りの課題を解決するためにデマンドタクシーに切り替えたと想定されます。

坂祝町:デマンドタクシー

車を保有しておらず交通手段に不便をきたしている方の問題解決を目的にデマンドタクシーの運行が行われております。利用対象者は町民かつ70歳以上の方、免許を返納された方、妊娠中の方など移動手段が不足している方が対象となります。利用するには事前予約を行い、自宅から指定されている乗降場所まで移動することができます。予約は電話予約のみ受け付けています。詳細は坂祝町のホームページをご覧ください。

こちらのデマンドタクシーでは、申請時に利用者登録の申請と自宅前利用の申請と2種類提出が必要なのが気になりました。対象者をあらかじめ移動手段に課題を抱えている人を対象としているので、わざわざ2種類の申請を出す必要があるのでしょうか。この辺りは利用者に負荷がかかっているような気がしました。

大野町:デマンドタクシー「あいのりくん」

大野町でもデマンドタクシー「あいのりくん」の運行が行われています。利用対象者は町内在住かつ65歳以上の方、妊娠中の方、身障者の方などが対象となります。利用するには事前予約を行い、自宅から大野町内の指定する乗降場所まで移動することができます。車両は4人乗りのワンボックス車両を利用します。詳しい情報は大野町のホームページをご覧ください。

こちらのデマンドタクシーの目的は、利用対象者から、車を保有しておらず移動手段に課題を抱えている方々の解決策として導入されたと思われます。

岐阜県で利用できるタクシー配車アプリ

最後に、岐阜県で利用できるタクシー配車アプリについても抑えておきましょう。

Uber Taxi(ウーバータクシー)

グローバルでライドシェアサービスを展開しているUberでは、日本でUber Taxiのサービスを展開しています。

しかし、2024年5月時点で岐阜県はUber Taxiのサービスを利用することができません。最新の情報はUberにて確認してください。

Go

GO(ゴー)は、約10万台のタクシーをネットワークするGOが2020年9月よりスタートしたタクシーアプリです。現在2,000万ダウンロードを突破しています。

岐阜県は、岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、関市 ※、美濃市、美濃加茂市、可児市、多治見市、瑞浪市、土岐市、羽島郡笠松町、羽島郡岐南町、本巣郡北方町、加茂郡坂祝町、加茂郡富加町、可児郡御嵩町が対象エリアです。(※一部地域を除く)

現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。


まとめ

いかがでしたか?2024年4月時点で岐阜県では日本型ライドシェアの運行はされておりませんでした。しかし、過疎地域など地域住民の移動手段に課題を抱えている自治体はデマンドタクシーの運行などで解決を図っている状況が確認できました。

しかし、2024年4月から「簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、4月以降順次開始して良い」と国土交通省から発表がありました。岐阜県で日本型ライドシェア事業を運行するためには、岐阜県の自治体の調査とタクシー事業者の協力・申請が必要になります。ラストワンマイルの移動手段不足の課題解決にライドシェアが貢献するかどうか、注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!

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