2023年の12月に行われた「デジタル行財政改革会議」にて2024年4月からタクシー会社が運営するライドシェアサービスが開始される予定となりました。そして、4月8日に東京エリアから日本型ライドシェアのサービスが開始されました。
2024年6月以降はUberなどライドシェア事業を展開している事業者のサービス解禁も期待されます。利用者として気になるのが料金についてです。本記事では、日本型ライドシェアの料金体系をご紹介するとともに、世界のような一般企業が運行するライドシェアサービスが解禁された際にどのくらいの料金になりそうなのかをまとめてみました。イメージだけでもつかんでいただけたらと思います。
ライドシェアとは
ライドシェアは自動車のシェアリング方法の1つです。ライドシェアは文字通り、Ride(乗る)をShare(共有)することを意味します。いわば「相乗り」と同じ意味です。一般的に「相乗り」というと、タクシーを利用する際に行き先が近い客同士がタクシーをシェアすることを思い浮かべると思いますが、最近流行りのライドシェアは、タクシーだけではなく一般の個人ドライバーとドライブをシェアすることも指します。
ライドシェアは、より多くの人が1台の車両を使って移動することで、燃料費、高速料金、運転のストレスなど、人々の移動コストを削減します。相乗りは、移動を共有することで大気汚染、二酸化炭素排出量、道路の渋滞、駐車スペースの必要性が軽減されるため、より環境に優しくなる側面もあります。
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日本型ライドシェアが2024年4月より運行開始
2023年12⽉20⽇に第3回デジタル⾏財政改⾰会議が実施されました。交通分野の成果の一つに、タクシー・ドライバーの確保のための規制緩和、地域の⾃家⽤⾞・ドライバー活⽤によるライドシェア(タクシー事業者の運⾏管理下での新たな仕組みの創設)、⾃家⽤有償旅客運送制度の改善、タクシー事業者以外の者が⾏うライドシェア事業に係る法律制度についての方針が決まりました。
対策方針
- タクシー・ドライバー確保のための規制緩和(二種免許有無の緩和、地理試験の廃⽌など)
- 供給を補うため地域の⾃家⽤⾞や⼀般ドライバーを活かしたライドシェアサービスを2024年4⽉から開始予定。タクシー事業者の運⾏管理の下で仕組化
- ⾃家⽤有償旅客運送制度を2023年内から改善
- タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を⾏うことを位置付ける法律制度について、2024年6⽉に向けて議論
- 供給量増加に向けて、自動運転技術の活用を検討。⾃動運転レベル4の社会実装・事業化に必要な初期投資⽀援の予算措置を開始
- ⾃動⾛⾏⾞両のルールの在り⽅を検討する場を2023年12⽉に設置
- ⾃動運転の⾛⾏に係る審査に必要な⼿続きの透明性・公平性の確保策を検討するための関係省庁の枠組みを構築
なお、2024年4月8日より東京都で日本型ライドシェアの運行が開始されています。
Uberなど、ライドシェアサービスの利用料金はどのくらい?

以前は海外旅行でタクシーを利用した際、高額な料金を支払うなどのトラブルが多かったことがあります。近年はライドシェアサービスの普及によって料金が明確になりました。その結果、海外のライドシェアサービスを利用すると、タクシー・ハイヤーよりも2~3割安いといわれているのが一般的です。
ライドシェアサービスの料金内訳について
ライドシェアサービスの料金は主に以下で構成されています。
- 基本料金(乗車ルート、乗車オプション、ピークタイム追加料金)
- 有料道路料金
- 利用地域ごとのサービス料
- 現地の法律に合わせた追加費用(ライドシェア税、空港税など)
ライドシェアサービスごとの料金の違いについて
同じルートの移動でもライドシェアサービスによって料金が異なる場合があります。
料金が異なる理由は、乗車の際付帯されている保険や、安全面を配慮したサービスなど様々ありますが、大きな要因はダイナミックプライシングが採用されている点です。利用する時間帯によって料金が変動し、サービスによって変動幅が異なります。2023年時点でUberとLyftを比較した際、Uberのほうがピーク時の値上げ幅が大きく、Lyftよりも若干割高になることがありました。各サービスの料金を比較しながらコスパの良いサービスを利用するユーザーもいるようです。
Uberのピーク料金について
■ピーク料金の算出方法
ピーク料金が発生している場合、標準的な料金に対する倍率、ピーク料金の加算額、またはピーク料金を含む配車時確定料金がオファーカードに表示されます。表示内容は都市によって異なります。Uber のサービス料の割合は、ピーク料金の発生時にも変わりません。料金は需要に基づいてリアルタイムで変更されるため、ピーク料金は短時間で変動することがあります。また、ピーク料金は同じ都市でもエリアによって異なり、近隣でピーク料金が発生していても、同時に他のエリアでピーク料金が発生しているとは限りません。
■ピーク料金をアプリで確認する方法
特定のエリアで利用者が増加したときに、ご登録の都市でピーク料金が適用されると、そのエリアの表示色が変わります。マップ上の色付きのエリアは、薄いオレンジから濃い赤で表示されます。薄いオレンジ色のエリアはピーク料金の倍率が比較的小さいことを示し、濃い赤のエリアは他よりも倍率が大きいことを示します。
Lyftのピーク料金について
Lyftではアプリ等でピーク料金の可視化がされておりません。ただしWEBサイトでは以下の表記がありましたので参考にするとよいでしょう。
「Lyft の料金は、乗車ルートと乗車タイプ、乗車可能状況と需要に基づいて決定されます。あなたの地域で多くの乗客が同時に配車をリクエストした場合、配車料金は通常より高くなる可能性があります。通勤時間帯、街中での大きなイベント、悪天候時には需要が高まることが予想されます。」
日本でライドシェアサービスが開始された場合の料金設定
日本型ライドシェアの場合
2024年4月からスタートした日本型ライドシェアは、タクシー事業者管理の元でサービスが運行されています。したがって、日本でのライドシェアの料金は、従来のタクシーと同じような料金体系「初乗運賃+加算運賃」になります。
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今後の日本型ライドシェア料金について
それでは海外と同じようなライドシェアサービスが日本で始まった場合はどうなるのでしょうか。推測にはなりますが、上記を踏まえると以下が考えられます。
- 車はドライバーが保有する形になるため、企業側での車の車体・管理に関する費用がかからなくなります。その分タクシーよりも割安で利用することが期待できます。
- 海外ライドシェアの場合は配車時に移動ルート指定し料金も事前決裁することができます。ドライバーの感覚に左右されることなくルートが決まるため、料金が明朗になる可能性が期待できます。
- 海外ライドシェア(Uber、Lyft)の場合はダイナミックプライシングが採用されており、需要の高い時間帯は値上げされます。日本でも同様の仕組みが導入される可能性があります。例えば、週末などの混雑する曜日は料金が高くなり、逆に平日空いている時間は安くなる。また、一時的にライドシェアの利用者が多く、空車が少ない場合、料金が高くな理、逆に利用者が少ない場合は安くなるといった価格変動が考えられます。
- 海外と異なりチップを支払う文化が日本にないため、場合によっては海外よりも割安になる可能性があります。
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日本型ライドシェアの利用について
日本型ライドシェアを利用するためには、タクシー事業と提携している配車アプリから予約する必要があります。ここでは予約可能な配車アプリをご紹介いたします。
Go
まずはアプリのダウンロードと会員登録が必要です。以下画像からアプリダウンロード画面に遷移します。現在、乗るたび500円クーポンがもらえる、「GOする!キャンペーン」の実施期間中です。初めて「GO」アプリにご登録、かつ対象エリアで利用すると、3ヶ月連続で乗車するたびに500円クーポンを月間3回まで受け取ることができます。クーポン利用には条件がありますので、詳細はキャンペーンクーポンご利用条件をご確認ください。
予約フロー
ライドシェア車両は、タクシーが呼びにくい曜日・時間帯のみでマッチングする仕組みとなります。4/8に日本型ライドシェア利用可能エリアでGoアプリを利用したところ以下のように「ライドシェアドライバー稼働中」の表示が出ました。
「タクシー・ライドシェア」を選択し、マッチングした場合は、運賃が予め確定した状態で指定場所・時間で乗ることができます。4月8日時点では、タクシーとライドシェア車両の選択はできないようでした。気になる方はぜひ一度使って見てください。
安心・安全を保つ仕組みについて
まずはドライバー評価確認機能です。日本型ライドシェア車両への手配の際、当該車両のライドシェアドライバーに対する評価が表示される仕組みになるため、乗車前に確認することができます。乗車後にはドライバーに対する評価をつける画面がアプリに表示されます。乗車体験を利用者全員で評価していくことで、ライドシェアの品質を向上させることができます。
次に乗車中の通報機能です。乗車中、アプリ画面にて警察およびタクシー営業所への通報ボタンが表示されます。万が一身の危険を感じるような事象に遭遇した場合は即座にこの機能を利用しましょう。※画面は開発中のため、実際の仕様とは異なる場合があります。
参照:PR TIMES
Uber
4月上旬より日本型ライドシェアのサービス提供を国土交通省が定めた東京、神奈川、愛知、京都のエリアで開始すると発表しました。そして4月8日に、東京エリアでライドシェアサービスが開始しました。早速アプリを利用してみると、日本型ライドシェアの車両は「自家用タクシー」と表示されました。ライドシェア料金は、Uberの初回利用クーポン50%OFF適用外のため、Uber初回利用の方はタクシー利用の方がお得になる場合があります。

Uber 日本型ライドシェア利用
予約フロー
実際に日本型ライドシェアの利用を試みました。予約の前に、「自家用タクシー」の注意事項を確認しました。利用ができない条件や、キャンセル料金について記載されているので、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。

Uber ライドシェア注意事項
実際に予約を行います。移動場所を確定したら事前決済に進みます。Uberに登録している決済方法で決済を行います。
決済が終わったらライドシェア車両の到着を待ちます。

Uber ライドシェア車両待ち
この日は、ライドシェア車両が到着しませんでした。その場合は、このようなキャンセル画面が表示されます。決済した料金は全額返金されます。

Uber ライドシェアキャンセル
安心・安全を保つ仕組みについて
Uberのアプリでは、Uberがグローバルで展開しているライドシェアサービスの運用知見を踏襲し、乗客およびドライバーの安全確保のため、アプリ上の様々な機能を通じて予防と対策を実施しております。
- 家族や友人などの信頼できる連絡先を設定し、乗車状況をリアルタイムで共有する機能
- 利用中に不自然な停車やルート変更を検知し、Uberから乗客に安全確認メッセージを送信する機能
- ドライバーおよび乗客を評価する機能
- 乗車中に問題が発生した場合、アプリの緊急通報ボタンから警察に通報できる機能
これらの機能を活用して、安心・安全にライドシェアサービスを利用しましょう。
参照:PR TIMES
現時点の日本型ライドシェアはタクシー会社が運営しているため、料金についてタクシーとの差分は発生していない状況です。今後企業がライドシェアサービスの運営を開始した場合に料金の差分が発生すると考えられます。
自治体が運行しているライドシェアの料金は?
日本型ライドシェアとは別に、交通手段が不足している地域で自治体がライドシェアを運用している場合もあります。これらのサービス利用料金はどのようになっているのか、いくつか事例を紹介したいと思います。
北海道:中頓別町「なかとんべつライドシェア」
2019年度からは地域の重要な交通インフラとして位置づけ、「なかとんべつライドシェア」として事業展開されました。料金は次の通りです。
項目 | 料金 |
基本料金 | 156円/1回あたり |
距離料金(時速10km以上のとき) | 42円/kmあたり |
時間料金(時速10km未満のとき) | 5円/分あたり |
時速40kmで10km先の目的地に移動する場合の料金は、基本料金(156円)+距離料金(42円×10)=576円が目安となります。 ※運行状況等で金額は前後する可能性があります。
北海道のタクシー(初乗り1.28km=670円、以降241mおきに80円の加算料金が発生する場合)を利用した場合は3600円程度の料金が発生します。ライドシェアの料金の方が約3000円安くなります。
神奈川県:三浦市「ライドシェア」
夜間の交通インフラに課題がありライドシェアを検討していました。2024年の4月よりタクシー会社の運用管轄下でライドシェアサービスの実証実験が行われます。
料金についてはタクシー料金と同等とのことです。
石川県:小松市「i-Chan」
日常的に移動に不便さを感じている住民や観光客、新しく開通する北陸新幹線で小松市を訪れた方々の移動の利便性向上に加え、能登半島地震で被災された二次避難者の方々の移動を確保するためにライドシェアサービス「i-Chan」が開始されました。タクシーが不足している夜間の時間帯に自家用車を活用したライドシェアです。
利用料金は、能登半島地震の二次避難者は無料、市民及び来訪者はタクシー料金の概ね8割で設定されています。
京都府:京丹後市「ささえあい交通」
車を持たない住人、特に高齢者の通院や買物の自由な移動手段の確保と、観光客やインバウンド客の移動をサポートを目的に、2016年5月26日から「ささえ合い交通」というライドシェアの取組を実施しています。
利用料金は距離制で最初の1.5㎞まで480円、以遠は120円/km加算となっており、タクシー料金の半額程度です。
兵庫県:養父市「やぶくる」
公共交通空白地等の移動が困難な市民や観光客等に対して、ライドシェアサービスを提供することで地域の活性化に貢献するサービスとして2018年にやぶくるがスタートしました。
利用料金は、初乗り2kmまで600円です。以後、750m毎に100円加算されます。
10km先の目的地に移動する場合の料金は、初乗り(600円)+加算料金(133円×8)=1664円が目安となります。 ※運行状況等で金額は前後する可能性があります。
養父市のタクシー料金相場は、初乗り1300mまで700円、以後250mごとに100円加算されるため、同様に10km移動した場合は、4180円程度の料金が発生します。ライドシェアの料金の方が約2500円安くなります。
日本のライドシェアはタクシーよりも安いのか
これまでお伝えした内容をまとめると、以下のようになります。
移動手段 | 料金 | 備考 |
タクシー | ー | |
日本型ライドシェア | タクシーと同じ | タクシー事業者が運行している日本型ライドシェア |
今後予想されるライドシェア | タクシーより安くなる場合もあれば高くなる場合もある | ダイナミックプライシング(価格変動性)が採用された場合 |
自治体運行のライドシェア | タクシーより安い場合もある | 自治体が設定した価格に依存 |
現状を整理すると「基本的にはタクシー料金と変わらずだが、自治体運行のライドシェアがタクシー料金よりも安い場合も地域によってはある」となります。
まとめ
いかがでしたか?2024年4月から日本でもライドシェアが普及する可能性があります。料金の相場をざっくり把握しておくだけでも今後の移動手段の選択肢が広がります。現状の日本型ライドシェア料金はタクシー料金と同等ですが、海外のライドシェアはダイナミックプライシング(価格変動性)が採用されているため、日本でも同じような仕組みが導入されるかどうか注目されます。また、それに追随してタクシー料金にもダイナミックプライシングが導入される可能性もあるため、日本のラストワンマイルの料金設定に大きな動きがあるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他の記事もぜひご覧ください!
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